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後家と猿
【獣姦 官能小説】

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惜別-1

朝から小雪が降り出していた、すっかり葉を落とした柿木には取り残した実をつつくヒヨドリがけたたましく鳴いていた。
 この季節、帳が落ちる4時頃にはすっかり冷え込んでくる、房子も薪ストーブに薪をくべて暖をとる、いつもベンがそばから離れない、夜は房子の胸に抱かれて眠りにつく、房子もベンの体温の温もりで安らかにねむるのである。
 しかし最近、政井がちょくちょく顔を出しては泊ってゆく、以前と違い横柄な態度も見せはじめていた。

 房子の家の庭先に政井の軽トラが止まった。
猟犬と政井が降りてくるとベンが察したように落ち着かなくなる。
「ベン大丈夫よ静かにして」
房子は宥めながら外に政井を出迎えた。
「お疲れ様、休んでいかれます」
「今日は泊らせてくれ、明日猟に行く」
猟犬は真っ黒で息をゼイゼイと吐きよだれを垂らしている。
ベンを見るなり唸り声をあげて吠えた。
「猿め、ここは人間様の家だ外にでもうせろ」
政井は不機嫌そうな顔をして乱暴に言った。
「政井さん怒らないで、静かにさせますから」
政井をなだめるように言った。

「ベンごめんね、明日の朝までだからね」
ベンを隣の寒い部屋に連れて行き紐で柱に繋げたがベンの寂しそうな目を見て房子は悲しかった。

「お疲れの様ね、お風呂沸くまで待っていてくださる」
「ところであんたいつまで猿と暮らすんだ、どうも俺は気に食わん」
「どうしてですの、可愛いですよ」
「いつもあんたと風呂入って一緒に寝てるんだろう」
「人間じゃありませんから政井さん気になさらないで」
「ふん〜、あんたと寝ていてもあの猿がどうも目障りだな」

房子が用意した熱燗を呑みながらぼやいた。

政井がこうして厚かましく出入りするのは以前房子が急病で政井の手で病院に運ばれてからであった。
 入院の手続きや家の管理など政井が一手に負い見舞いにも毎日のように通っていた
それ以降は房子も恩義があり政井の世話をするようになったのである。
政井が泊まる晩は決まって房子を抱いた、今夜も風呂に房子を誘い背を流させた。

夕食を済ませると政井は早く寝床に来るよう催促した、房子は片づけもそこそこに寝床に入るのである。
「サルはどこに入れた」
「隣の部屋に入れてあります」
「縄でつないであるな、猿轡もかませたか」
「はい」
いつだったか政井は房子と寝ている時に足を噛まれたことがある、あれ以来ベンを縄で繋いで更に猿轡をさせるのだったが今日はあまりも可哀そうでそれは出来なかった。

「ぁぁぁ・・・」
政井は房子の乳房を弄っていた。
白いうなじに口を這わせながら熱い息を吹きかけ寝間着の紐を解き腿を割って指を這わせて確かめた、潤い始める頃には房子に筒を握らせフェラを要求する。
「欲しくなったら言え」
政井はこうして房子の肉体をもてあそぶのである。
寒い時であっても房子を素っ裸にして最後は這いつくばらせて尻を抱きかかえ渾身の力で体液を射精するのだった。
「ううっ・・」
政井は唸り声を発してグッタリと倒れ込んで深い眠りに入るのだ。
今夜はベンが愛おしくなり汚れた処理を済ませるとベンの居る部屋に入った。
 「ベン起きてる?ごめんね、さあ今夜は一緒に寝ようね」
布団を敷くとベンを綱から離して一緒に布団に入った。
最近、政井の乱暴な言葉遣いやベンに対する虐待に近い態度に房子の気持ちも少しづつ離れていた。

今夜のベンは興奮していた、房子に残る政井のあの匂いが刺激したのか鼻をこすりつけてくる。
そして房子の腰にしがみついて離さない。
「どうしたの?そんなに爪を立ててはダメ痛いわ」
白い肌に爪の傷が赤く付いた。
「ベン優しくなってお願い」
ベンはやるせない気持ちだった、房子をわが物のように振舞う政井が憎らしかった。
房子もベンが愛おしかった。
「おいで・・」
ベンはようやく落ち着いたように房子の胸に顔を埋め乳房を赤子のように吸った。

 翌朝、政井は猟犬とともに山深く入っていった。

また暫く穏やかな日々が続くのである。

 長い冬がすぎて四月を迎えると里山は新緑で明るくなる。
山菜が豊富な里山に房子はベンと山に入り、夫が残したシイタケの原木に菌を打ち込む
ベンも少しづつ成長し逞しくなってきた。
「ベン今日は何して食べようか」
房子にベンは息子であり頼もしい存在になっていた。
最近になり家の周り猿の姿が見受けられた、ベンの存在を知るメス猿がうろつく、ベンも傍に寄って戯れる。
・・・ベンも、もう大人なんだわ、これからは距離を置いて山へ返した方がいいようね・・・
房子はそう思った。
「ベン、今夜からは風呂は別にしようね」
いつもとは違う様子に気付いたのかベンは房子から離れない。
「だめよ腰に抱き付いたりしては」
ベンを振りほどいて浴室に入ったが外から戸を開けようとしていた。
「ごめんね、ベンはもう大人よあなたの仲間と仲良くするの」
あえて房子は徐々に距離をとり寝室も別にしたのだった。

「ベン、山へお帰りそして群れに入って逞しくなるのよ」
房子はベンに言い聞かせるようにしてそれ以後は家に入れなかった。
次第に遠ざかるベンもやがて山の群れに入っていった。

                       
                             つづく




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