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母カルト
【熟女/人妻 官能小説】

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嘘つき-2

いつまで経っても父親は帰って来なかった。

その間うちにも変化が訪れた。

ママのお腹が日に日に膨らんでいくのだった。

全体的にやせ型貧乳のママの体はふくよかになり

バストも見違えるくらい盛り上がった。

近所の人たちの話によると、ママは「妊娠」という状態で

お腹の中には俺の弟がいるらしい。

ある人は含みのあるにやついた目で、またある人は哀れむような目で俺を見ていた。

川村さんは近所のおっさんとゲラゲラ笑いながら

「旦那より良かったんだと」「俺なしじゃ生きていけないらしい」

などと何となく下品さが伝わる会話ばかりしてた。

ママのお腹が張り出てから川村さんが以前よりママに馴れ馴れしくなった。

なんの遠慮もなく毎日うちに出入りしては我が物顔でくつろいだり

やたらママにくっついて大きくなった胸を触ったりお腹を撫でたりと

完全に図々しくなっていた。それを見て少々ムカついたものの

ママがその行為を若干困りながらも憎からず受け入れていたので

俺は川村さんが身重のママの支えになってる部分もあるんだなと思い

それ以上は深く考えないようにし、周囲の視線も無視した。


ある日の夜、玄関先が騒がしかったので一瞬だけ目が覚めた。

よくは聞こえなかったけどママが誰かと言い争いになってるみたいだった。

なんとなく失踪してた父親が帰ってきたのかも知れないと考えながら

また眠りに落ちていった。

明くる日ママに昨日の夜父親が帰ってきたのかと尋ねてみたら

ママは笑顔で違うと答えたけど、やや蒼白な顔になっていたので

もうそれ以上は何も聞かない事にした。


季節が移ろう頃にママは元気な弟を産んだ。

目元はママと俺に似ていたのだが

ニパッと笑った時の表情が川村さんの生き写しだったので

俺は子供ながらに何か取り返しのつかないことが起きてる気がした。

近所の人々のひそひそ話にはもう慣れっこだったけど

川村さんがおっさん達とゲラゲラ笑いながら

「俺の生まれ変わりだぁ!」「来年は女の子だ!」などと

やらしい面持ちで豪語するたびに胸が締め付けられたので

ママに「俺の弟って川村さんの子供じゃないよね?」と聞くと

「違うわよ、おかしい子ねぇ」と即答されたのでそれ以上聞けなかった。


もうママは父親を積極的に探すことをしなくなった。

代わりに弟を俺に預けて隣室へと足を運ぶ回数が増えた。

そして薄い壁の向こうから喜びに溢れた声が聞こえるたび

赤子の弟はニパッと俺を見ながら笑う。

その笑顔が川村さんのにやけ顔にそっくりだったので

俺は何ともいえない敗北感で涙がこみ上げてきた。

人はみな、嘘つきなのかも知れない。



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