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『真夏の遊戯』
【学園物 官能小説】

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『真夏の遊戯 side:A』-2

そんなわけで肝だめしはスタートした。
俺らの順番は後ろの方だったので気長に待っていた、俺は。
「しかしあれだな…、暑いよな。山に来た意味ねーし」
「そうだね…」
俺は掌でパタパタ扇ぐ。
ナツキを見ると震えていた。
「おい、寒いの?もしかして。そんなかっこしてっから」
「え…?別に寒いわけじゃ…」
「ははーん。さては怖いんだな?ナツキともあろーものが」
ジョークのつもりだった。俺はいつものノリの罵声を予想していたのだが、それはなかった。
「図星…か?」
「…」
「意外」
「な、なんだよ。あたしだってニガテなモンくらいあるにきまってんじゃん!!」
「わ、わかった。そういきり立つな!」
そう、本当に意外だったのだ。
部活で竹刀を振りまわしてるところからは微塵にも予想できないくらい。
(こうしてみると女の子だからおもしろいわ…)
小さく体を寄せて震えている様子はどこにでもいる女の子だった。
(いつもの調子でやってくれると思ったから気楽だったのに、コレじゃ調子狂うな…)
そうこうしてる間に俺等の番が来た。
「おい、行くぞ?」
「う、うん」
前を行くペアから3分後に出発した。
広場から、いきなり林のウォーキングコースに入る。
まっくらだった。そこらに伸びている木が空を覆っていた。
5m先がやっと見えるくらいだ。
もちろん、山の中のウォーキングコースだから道は舗装されていないし、そんなに道幅も広くない。
「気を付けないとこけるそ」
「うん…」
木の根がむき出しになった道だ。注意して歩く。
「ま、待って、レン」
俺はふっとため息をついて手を出した。
「ほら、つかまれよ」
「…ぁ、ありがと」
いつものナツキからは想像もできないくらい謙虚な態度だ。
ギュウウッ…。
(んっ?)
ナツキは俺の腕にしがみついていた。
手をつなぐだけだと思っていたのでびっくりした。
「お、おい」
「…え?」
俺を見上げるナツキからすぐに視線を外した。
「イヤ…、いい」
「い、痛いか?」
「違う。いいんだ…。行こう」
(な、なんだこの密着感は)
「なんかドキドキするな…」
怯えた様子のナツキがそう言った。
俺は別の意味でドキドキしている。
タンクトップの下はブラジャーだろう。それだけしか身に付けていないはずだ。
そしてブラジャーの下は…。
(この腕にあたっている…)
頭をぶんぶんと振った。
「れ、レン?」
「…なんでもない」
ナツキのしがみついている俺の腕に確かに伝わるこの柔らかい感触は…。
薄着ということもあり、その膨らみは鮮明なイメージを描かせる。
男の本能が目覚めてしまいそうになる。
(まさか…コイツわざとじゃないだろうし…)
当のナツキはもちろんそんな余念はない。
しかし、俺の意識は確かに腕に集中している!
意識しすぎたせいか、ひじが動いてしまった。
それは結果的にはナツキの膨らみをつついてしまうことになった。
「ぁ…」
ナツキの体が軽く痙攣するのがわかった。
(しまった…)
ナツキが俺を見ているのがわかる。いかん、ここは…。
「どうした?」
とぼけることにした。
「う…ん。なんでもない…」
(ごめんナツキ…。でも俺の気持ちも察してくれ…)
謝る一方で煩悩が頭をもたげている。
(やっぱり…感じるんだよな…)
目が慣れてくるとわかる…。ナツキに視線を落とすとタンクトップの隙間から胸の谷間が目に飛び込んだ。
(アホか俺は。ナツキの弱点につけこんでこんなこと考えるなんて…)
ガサガサッ…。
「きゃぁーーーーっ!!」
脇の茂みから真っ白いものが現れた。
妄想をしていた俺はさすがにちょっとビックリしたが、それはオバケに扮した輩だとわかっていたのですぐに平静を取り戻した。
「役得だな、オイ」
オバケ役が声をかける。
ナツキが俺の胸にしっかりとしがみついていた。
体全体にナツキの柔らかさを感じた。
「しっかりしろよ、ナツキ」
「だ、だって…」
今にも泣きそうな顔をしている。
「らしくねぇな…。ほら行くぞ!」
背中をパン!と叩いて、体を引き剥がす。
コレ以上くっついてると大きくなりそうだったから…。


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