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『真夏の遊戯』
【学園物 官能小説】

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『真夏の遊戯 side:A』-1

夏休みの中盤、学校行事のキャンプが行われた。
高2にもなってキャンプなんて俺は正直めんどくさいと思っていたが、ウチでヒマを持て余してるよりは、と参加した。
場所は××山キャンプ場。
テントを建てられる広場や、バンガローが何棟か、バーベキューなどもできる設備の整ったところである。
近くには川が流れ泳ぐこともできる。
また自然を活かしたちょっとしたウォーキングコースもあった。
環境は申し分ない。
しかし…、暑い。
ようやく夕暮れを迎えていたが、真夏。日中の熱さが尾をひいていた。
「山っていっても涼しくなんないもんだな。今日は熱帯夜だぞ」
友人の篤弥(アツヤ)にこぼす。
冷房のないバンガローで男が数人雑魚寝する光景は想像しただけでも…、うぷ。
「そーゆーなって、蓮(レン)。まだお楽しみがあるじゃねぇか」
「お楽しみって…アレか?」
「そう、アレ」
ニヤリ、とアツヤが笑う。
「アレ」とは夜行われる生徒主催の肝だめしのことだろう。
「なんかロクでもないこと考えてんだろ?おめーわ」
「あたりめーだろ」
たぶん…、つーか絶対スケベなことだろうとアツヤの表情から見て読み取れる。
「なーにしてんのよ。ちょっとは動いてよねっ」
俺らの背後で声がしたかと思うと、固いもので頭に1発ずつもらった。
「いて…、んだよ。ナツキか…」
「夕飯いらないってならいいけどね」
声の主はニンジンを手に仁王立ちだ。
奈月 伊織―彼女はクラスメイトでなんてゆうか…、よきケンカ友達だ。男勝りで、女だてらに剣道部の主将をしている。
さっぱりした性格で、性別を感じさせない。
「早く手伝ってよね」
ポニーテールを翻して、炊事場に走って戻る。
「なんてゆーか…、アレだよなぁ…」
アツヤがぽつり。
「ん?」
「アレでけっこういいカラダしてるよなぁ…、アイツ」
「なーにゆってんだよ」
「あの性格さえなんとかなりゃ…」
アツヤの言葉を反芻して炊事場のナツキを見た。
白のタンクトップとショートパンツ。そこから伸びた手足がプロポーションのよさを物語っていた。
いつもは制服姿しかみたことなかったので確かにそうだとは思ったが、中身はあのナツキだもんなぁ…。
「どーら、いっちょいきましょか」
アツヤの声に促されて俺等は炊事場へと向かった。

「14番。14番、誰だー?」
「げ、オバケかよ。ついてねーな」
日もすっかり沈み、夕食をすませた俺たちは広場に集まっていた。
肝だめしの男女ペアを組むためのくじ引きを皆がひいた。
(65番ね…、オバケよりはマシかぁ?)
もちろん、ペアを組む女の子にもよるが…。
「65いねーか?」
パートナーを探した。
「レン、まだみつかんねーの?」
アツヤが声をかけた。隣にはヤツの彼女のユカがいた。
「これだけいりゃな。なに?お前らペアなの?都合よすぎ」
「バーカ、んなわけねーじゃん。交換してもらったんだよ」
アツヤはぐいっとユカの肩を寄せる。
「あたし、フルカワくんのほうがよかったのになー」
ユカが冗談めかして言った。
「かわいくねーな、お前はよ」
「あはは、うそだよぉー」
「じゃ、レン。またあとで」
「ん」
そういえば…、周りを見れば覚えのある奴等は大概カップルで固まっている。
アツヤと同じようにかえてもらったのだろう。
(クジなんかあってないよーなもんだな。彼女いない俺にはカンケーないか)
「65ー!だれだー?」
気を取り直して探した。
「レン…、あたしとだ」
「んぁ?」
振りかえるとナツキがいた。
「お前とか…、まぁいいや。気楽で」
「どーゆー意味だよっ」
「いや、別に他意はないけど」
本心なのに。
「好きな子いるんならかわってもらおうか?」
ふてた顔でナツキがそう言う。
「いいよ、そんなのいねーし」
気心知れたヤツのほうがいいだろう。
コイツならオバケも踏み倒しそうだし…。


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