投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

女教師ケイの放課後
【教師 官能小説】

女教師ケイの放課後の最初へ 女教師ケイの放課後 9 女教師ケイの放課後 11 女教師ケイの放課後の最後へ

女教師ケイの放課後-10

「い、痛てぇ、イテェよお」




その向こうで、拘束を逃れたケイが身を起こした。

握りこまれた右拳の中指だけが奇妙な形に折り曲げられていた。いわゆる禁じ手と呼ばれる技のひとつだった。


「安心しなさい。急所ははずしてあるわ。少し腫れるかもしれないけど……」
「この野郎」




逆上した板倉が奇声を発した。気合とともに、まだ完全に立ち上がっていないケイの頭部に蹴りを放ったのだ。
ケイは咄嗟の判断で身を沈めた。


間一髪で攻撃をかわした次の瞬間、彼女は手のひらで身体を支え、大地と水平に左足を払った。


「うぎゃっ」




水面蹴りで脚を刈られた板倉が派手に倒れた。その横に顔を手で覆った五月がうずくまっている。
唯一、無傷の僕の前にケイが立ち塞がった。

どうやら僕に対する憎悪は彼らに劣るものではないらしい。鋭い眼光に射すくめられ、僕は危うく卒倒しそうになった。





彼女が僕たちに課したペナルティは反省文の提出と、空手部への入部だった。
反省文はともかく空手を遣るのは抵抗があった。毎日ケイと顔を合わせるのは気まずかったのである。
しかし、停学をちらつかせられては仕方なく、僕らはその条件を呑むことにした。


指導の名を借りた監視だ。そうぼやいていた板倉たちが一日も練習を休まなかったのは意外だった。
嫌々参加しているという割には、しっかりと稽古を消化していく。そのことは僕の目にたいへん興味深く写った。



それにしてもスポーツはいいものだ。身体を動かせば、飯も美味しくなる。
そのうえ、板倉たちのいじめも減った。毎日ケイにしごかれるのだから、僕を攻撃する余力などないのだ。


ケイはいわゆる『話せる大人』というやつで、空手のこと以外でも色々と面倒見が良かった。
そのせいもあって、はじめは頑なだった板倉たちも少しずつ軟化した。武道を通してではあるが、徐々に心を開きつつある。


一方そんなケイに対する他の教師陣の対応は冷ややかだった。
教育熱心な教師は生徒だけでなく同僚からも煙たがられる。板倉たち問題児に積極的に関わろうとするケイを彼らはもてあました。
また問題を起こされてはなどと嫌味を言われ、彼女は返って意地になった。


女教師ケイの放課後の最初へ 女教師ケイの放課後 9 女教師ケイの放課後 11 女教師ケイの放課後の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前