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英雄ハンスの娘
【レイプ 官能小説】

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少女Sの抵抗-3

「まだ肌が若い」
 新陳代謝のよい若い肌は墨やインクが定着しにくいと、あくまで彫師として「それ」を否定的に観る戦友フリップだった、僕たちは感覚がおかしくなっていき、レイプする女性を人間とは感じなくなっていったのだ、だから彼女らを「それ」としてみて、扱うようになっていくのだ、それが僕らの戦争だった。
「豚の頭でラインを引く練習をするものだけど、戦時中だからな、捕虜の女の肌で練習すればいいさ」
 フィリップに頼みソフィアの局部に刺青を入れてもらうほうが確実だろう、だがいとおしい彼女の局部を他人の目に晒すのはいけないことだと思うのだ、僕だけのものなのだから、僕自身の手で、タトゥーマシンで彼女の一本筋のスリットに刻み付けたいのだ。
 生涯消えない墨を彫られる、まだ幼さの残る少女はそこに何を思うだろうか? 男の叶わなかった初恋の相手に似ているという理由で犯され、妊娠し、その上局部に彫り物までも入れられてしまうなんて、最悪に屈辱的ではないのか? 生涯消せない疵を残されるということは取り返しが利かないのだ、汗が滲んでくるような焦燥感だろう、それを計画し実行できるとは、ハンスは僕はなんて幸せな果報者だろうか、僕の夢だ、幻想だ、フィクションだ、嘘だ、だが生きていくうえでそんな作り話を信じることが男には必要なのだ、それを現実のものにすることができるのはひとえに戦争のおかげだった、元はおのおのバラバラで宗教が違い、文字も違う、国が分かれているのに時代ごとに支配者が入れ替わったせいで民族が複雑に移動が起こってきたノルトフォン連邦、そんな地域だから政治家の言うことはころころ入れ替わるのだった、お互いの違いを認め合いひとつの連邦としてやっていこうという時代は終わりを告げ、民族主義が台頭し、国の中に国ができいがみあう様になる、地域の政治家がクーデターを起こし国が細分化されていくのだ、そうするとその地域がスーザニアだとすれば異民族のセレニナ、サルドニア人どもは排除され、後はお決まりの憎しみの連鎖だった、そこに僕が付け入る隙があった、僕の夢が叶うのはこうした混乱した時代にこそある、まったく戦争という奴は、内戦というものは最高のエンタメで、最悪の悲劇なのだ、悲劇であることくらいは理解する冷静さもあるが、明日命を落とすかもしれない戦場にいるのなら、懸命に性を突き詰めて何が悪いというのか、敵だってやっているんだ、こちらがやって何が悪い? むしろ先鋭化すればするだけ僕が英雄視さ れるのなら、より残酷になればいいのだ。
 捕虜として閉じ込めている女を適当に選び、まずは太ももに囚人番号をレタリングで線を引く練習からはじめ(まったくハンスと言う男は真面目な奴で、軍務でくたくたになろうが、こんなことにも時間を割くのだ、おまけに昔から器用なもので、大体は見て憶えられる僕だ)、トレーシングペーパーを用いて女がどんなに痛かろうがお構いなく大胆に筋を彫り、色を入れていく、罵詈雑言を叩かれようが、泣き叫んでいたとしても、気にしない気にしない、それにしても栄養状態が悪くなると、途端に女の肌は荒れるのだ、こんな肌になったら目も当てられない、ああソフィーよ僕は君が心配だ、どうかハンストなどで不健康になって欲しくない、唯のつわりであってほしい、子供を宿した体だというのに、こんな女共と一緒になって欲しくないのだ、薄汚い大人の女になってくれるな、そんな環境に君をおきたくないのだ、捕虜として平等に扱われるというのが自由などと僕を困らせてくれるな、君は僕の保護下にあれば幸せなのだということをこれから思い知らせてくれよう。
「射撃が器用だと刺青彫るのも巧いんだなハンス」
「そんなことはないよ、先生が教えるのが上手なだけさ」
 一人ひとりの肌の質感が微妙に違うこと、当然だが紙のように平面ではないこと、墨の入りを確かめながらも大胆にのびのびと全体像を意識しながら細部に神を宿すごとく、そうフリップが教えるので、その通りやっていくうち自然に上手になり、レタリングだけでは満足できず、複雑な画柄も描けるようになった、確かに自分は器用で、多分先生もいいのだろう、君が戦友で本当によかったよフリップ。


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