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英雄ハンスの娘
【レイプ 官能小説】

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民族浄化-1

 人類史上初となる国際同盟が5月20に設立された一週間後、戦争犯罪が定義され、発表された。
 いくつか革新的条文のなか、特筆すべき項目は「レイプは戦時下において、いかなる理由にかかわらず犯罪であり、民間人を標的とした人道違反である」、という条文であろうか。
 現実主義的にレイプそのものが武器であり、兵隊にとっての報酬であったこと、その歴史を認めただけのことであった。

 国際同盟設立の10年ほど前、プラニア大陸中央南に位置する、バルベルタ半島で内戦勃発、連邦を三つに割る戦乱が起ころうとしていた。




 オシフェンゾン収容所
 リノリウムの廊下を歩く、兵隊が二人、
「なあ、このあいだ入ったあの女子大生、超おっぱいでかいんだぜ、今晩いっしょにやりにいかねえ?」
 そう誘われた兵隊は戦場には不釣合いな、平時ならば俳優でもしていたほうがお似合いの、ハンサムなヨシップ・ハンスという若干23歳の若者である。
「よしとくよ、教会の教えに反する」
「教会か〜、ハンスも変わってるよな、今は戦時なんだぜ、教会も異教会打破のため、民族浄化を推進している〜、やりまくり天国じゃねえか、愛国無罪なんだからよ」
「……愛国無罪か……そんなことに反対しだした、祖国スーザニアのエドワード大佐、罷免されて今じゃバーで飲んだくれているってね」
 愛国無罪、つまり連邦の3民族が領土を主張し合い、そのために入り組んだ他民族を支配しあうという構図が、このバルベルタ半島の情勢なのであった。
「それでいいんだろ」
 民族浄化にはノリノリのフィリップがそっぽを向きながらつぶやいた、彼は親戚一族が複雑で、3民族別れた関係だったから。
「なんだ、兵隊辞めたくなったか」
 ハンスが呟く。
「けっ、英雄様には分かんねえだろう、今が良ければそれでいいのさ、じゃあな、女が待ってる」
 英雄とよぶわりに、嫉妬というより穢いものを避ける様な、そんな言い回しを残し、さっさと女性を閉じ込めた部屋へ踏み込むフィリップだった。
 オシフェンゾン収容所とは、スーザニア共和国の他民族浄化施設で、つまりサルドニアとセレニナの女性を集め、レイプし妊娠させスーザニア人の子供を産ませる、そうして民族のアイデンティティを奪い、強制的にスーザニア人にさせる施設なのだ。
 民族浄化は他民族の女性をレイプするだけにとどまらず、戦える年齢の男性は殺し(色々な方法で、例えば絶滅収容所での方法だが、絞殺、火炙り、火葬、凍死、窒息、餓死など様々だし、ナイフ、斧、まさかり、木槌、鉄の棒、ハンマー、つるはし、も好んで使われた)、また村を民兵らが襲撃し、スーザニア人以外の他民族をなぶり殺しにし、そのまま放置されることもしばしば、生き残った子供だけはスーザニア人の家庭に預けられ、スーザニア人として再教育、もしくは一か所に集められ、まとめて殺害されることもあったようだ。
 だからといって、ほんの数年前の内戦以前には、スーザニア、サルドニア、セレニナはモザイク状に同じ村々に分布し、ある程度は住み分けられていたものの、隣人として暮らしていたにもかかわらず、現在の内戦状態になってしまったのだから、ハンスとしても戦争に想う所もあったのだ。
 ハンスも兵隊である以上、これ以上民族浄化に手を染めないわけにもいかなくなっていた。
 軍の直接の上司から、任務として、セレニナ人女性のレイプを勧められていたのである。
 内戦から半年以上も、民族浄化としてのレイプに参加したくない理由が彼にはあったのである、正義感から? いや違う、彼には自分でも認めたくない性癖があった、だから積極的にレイプに参加しないで来たのである。
 しかしそうも言ってはいられない、それ位同調圧力が高まっており、スーザニア人としてアイデンティティを強く求められていたので、止む無くそのシステマティック・レイプに手を染めることになった。
「これは戦闘行為にすぎないんだ、セレニナ人に恐怖を与え、この地から追い出す為に葉仕方が無いんだ……誰も僕のことを責めることなんてできやしない」
 そうつぶやくように、納得させるように、言い聞かすように、拳銃を腰のホルスターから引き抜き、女のいる部屋をノックした。
 部屋は戦時下とは思えない、こぎれいな部屋で、生活に必要なものは一式全て揃えらている、そこに怒り顔の女が佇立し、ハンスをにらみつけていた。
 まだあどけない、いやあどけないという言葉すら使うことをためらわれるような、幼い少女だ、中性的で、栗色の長く美しい髪から女性を感じる程度、まだ二次成長の途中過程の宿す、そうニンフェニット性を持つ美少女だ、すらりとしていて決して筋張ってもいない17歳のような筋肉の付いた脚でもなく、しかしそれでいて脚を見せることが男を幻惑させるような邪念を感じさせない色香が内在していて、矛盾を受け入れるしかない、いやむしろ矛盾しているからこそ、彼女には魅力を感じさせるのだ、ハンスは彼女を選んだのである、腰はくびれを持つ前の幼児体型よりずっとずっとほっそりしており、妊娠に耐えられる身体と見えないところが、よりハンスを惹きつける、臀部などまるで少年の様ですらある、胸部の上の鎖骨が浮き上がる、当然胸などふくらみを確認するのが困難だ、肌は白磁に温かみをもたらしたかのように白く透き通り、手首や首下鎖骨にかけてみられる青い静脈に情動を感じてしまう、腕はか細くそれでいて長い、少女とは思えないくらい長い、ということは大人としての女性を感じさせ、それは余計に少女性を際立たせるパーツであった、貌こそ怒っているが幼なさをより強調させており、睫毛に艶があり、唇には薄みがあり、顔全体に小ささが目立つ、……つまりは美少女であった、彼のハンスの生涯で一番の唯一無二でいて、神聖不可侵ですらあるのだ。


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