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ピンクモアール 〜魅惑のフェロモン
【OL/お姉さん 官能小説】

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キャバ嬢 キララ-3

(どうしてあの2人はこんな普通の男を取り合いしたんだろ…)
キララにとってそれが謎だった。ルックスはまぁまぁだが特に金持ちと言う感じでもない。あんなに夢中になり取り合うほどの男には見えなかった。

「お仕事は何をなさってるんですか?」
「サラリーマンです。」
「そうですか。(やっぱり普通じゃない。それに大企業なら会社の名前を言って来そうなもんだけど言わないって事はそこらの普通の会社って事ね。)」
経験上、大企業に勤める男は誇らしげに会社名を言ってくるものだ。勤めている会社に自信のない男は浜野のようにサラリーマンと言う答え方をする。キャバ嬢ナンバー1を張っている以上、人間観察は細かくしているつもりだ。キララにはごく普通の男にしか見えなかった。

「キララさんはいくつですか?」
女にいきなり歳を聞いてくる無神経な男…、キララは浜野をそう分析する。
「24歳です。」
「あ、若いんだ。」
と言う事はもっと歳上に見てたと言う事だ。このやり取りからだけでも浜野が女にモテそうな男には思えなかった。
「オッパイもデカイし。」
「そうですかねぇ?」
完全に無神経なスケベな男として浜野を印象づけた。これからきっといやらしい話をたくさんしてくるのかと思うと憂鬱になる。

(今日は太客来ないし嫌な一日だわ…)
いつも予約でいっぱいだが、今日は珍しく太客の予約がすっぽりと空いてしまった。金にならない1日にどうもやる気は出なかった。

(さっきから胸とフトモモばかり見てるし…。あーあ、嫌んなっちゃう…)
浜野のいやらしい視線に気付き気分が悪い。早く時間が過ぎないかな…、そればかり考えていた。
(くくく、早く時間が過ぎないかなって思ってるのがバレバレなんだよ。いーねー、そのやる気の無さ。そろそろやる気スィッチを押してやるか…)
浜野はキララがウィスキーを作っている隙に自分の首筋にフェロモン成分スプレーを吹き付けた。

「はい、どうぞ。」
キララはグラスを浜野に渡す。
「ありがとう。」
わざとらしく手に触れてみた。キララは嫌悪感を隠さない表情で浜野を軽く睨む。が…

(えっ…)
浜野の顔を見た瞬間、まるで運命の人に出会ったかのような衝撃を受ける。胸がドキドキする。体が熱い。大好きな彼氏に見つめられているような、そんな感覚に陥り、顔を赤面させて思わず目を逸らしてしまった。

(な、何…?何なの…!?)
自分でも説明がつかない。キャバクラでどんな太客を見ても決して感じないようなトキメキにも似た胸の鼓動を抑える事ができなかった。


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