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「親友の妻」
【熟女/人妻 官能小説】

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RNPO法人「AAA」-1

結婚2周年祝いを会社の金でおこなった二人も今月いっぱいでの退職が決まった。
本来なら横領で解雇できるのだが彼らの将来を考えて辞表を書かせたのだ。
以前ディナーに誘った経理部の二人が僕たちのためにお別れ飲み会をしてくれることになった。
酒がまわるにつれてこの若い夫婦は荒れだした。
「部長だってわかって捺印してくれたんだ。それを知らないだなんて、許せないよ。」
「そうよ、田所室長だって常務の死んだ直後変な出金要請をした事があるのよ。
常務の決済で6000万円もの大金を寄付させたのよ。その時もう常務は亡くなっていたのに。」
お開きの時間が来たとき「その寄付の話、場所を変えて詳しく話してくれないか。」
皆が帰った後ラーメン屋に誘った。
話を要約するとこうだ。久志が常務になって会社は右肩上がりに成長し始めた。
税金対策の一環として臓器移植のNPO法人「AAA」に毎年1000万円の寄付をするようになった。
常務が亡くなられた年に室長が経理部に来られて「今年の寄付は6000万円に増額よ。」
と言って振り込み指示書を提出したの。
私が「常務はお亡くなりになられた後なのに変ですね。」と言ったら睨みつけられて
「よく指示書の日付を見なさい。これは常務の生前の意思ですからね。」
なるほど日付は常務が亡くなられる10日前でした。
課長に相談したが「書類がそろっているなら松田室長の指示に従いなさい。」
という事でその場で即刻、振り込みました。
「主人が亡くなってバタバタしていて忘れていたの。ごめんなさいね。」と笑顔で戻っていかれました。
彼女は言う。「税金対策の寄付と言いながらその前年はマイナス成長だったのよ。
減らせというなら分かるけど6倍に増やす理由が何もないのよ。
あの聡明な常務の決済だとはどうしても思えなくって。」


自宅に戻りベッドに入ったが寝付けなかった。
思案を続けながらうとうとし始めた時健太郎はガバッと飛び起きた。
死ぬ10日前・・・・・・久志は昏睡状態だったはずだ。
書類にサインや捺印が出来る訳がない。
翌日、一旦松田建設の経理部に立ち寄った後早速病院を訪ねた。
「松田久志君は瞬間的でも昏睡状態から目覚めた事がありましたか?」
守秘義務という事で教えて貰えなかった。覚悟はしていたことだ。
次に問題のNPO法人「AAA」に向かった。
「三年間の書類はここにあるはずですよね。ちょっと閲覧したいのですが。」
「申し訳ございませんが社員以外の方にはお見せ出来ません。」
「社員及びその他の利害関係人は閲覧する権利があるはずですよ。」
女性社員は理事長室に入ったままなかなか出てこなかった。
理事長と思しき人がにこやかに現れて「どちら様でしょうか?」
「三年前まで毎年寄付をしていた松田建設の代理人です。」
顧問契約書と弁護士バッチを掲示した。
小部屋に通され必要書類を持ってこさせたが理事長は席を立たない。
「この松田建設からの寄付金は1000万円で間違いないですか?」
「そう記入されているんですからそうなんでしょう。
私の記憶でも松田様の寄付金は毎年1000万円だったと記憶しております。」
「違うね。6000万円振り込んだはずなんだが。」と言って振り込みの控えを取り出す。
急に言葉数が減った理事長にたたみかける。
「1000万円と記載していますから5000万円が消えた事になりますね。」
健太郎もまさかの結果に内心驚いていた。
「ちょっと調べてみます。」理事長室に戻ったまま出てこない。
待ちきれずに理事長室を訪ねたが部屋の前で立ち止まった。
電話をしている声が聞こえる。
「それじゃまた寄付を再開して頂けるのですね。それなら私のミスという事で解決しましょう。」
ドアを開けた瞬間電話は切られた。
「大杉さん思い出しました。
あの頃アメリカで心臓移植を待つ子供が危篤に陥り緊急の手術が必要になったんです。
即日、追加デポジットとして5000万円を振り込みました。」
「デポジットと言えば聞こえがいいですけど要は順番抜かし代ですね。」
「私たちはそうは思っていません。あくまでも手術のための保証金だと理解しています。」
「なるほどNPO法人「AAA]としては理屈の通った行動だと思うが、じゃなぜその記載がないんですか?」
「それはたぶん経理のミスによる記帳漏れかと思われますのでもう一度よく調べてみます。」
「どの患者を援助するかは理事会で決められる筈なのに理事長の独断でやったわけですね。
それならその5000万円を自分の口座に振り込んだとしても誰にもわからないわけです。」
理事会の議題に挙げるぞ。厚労省に報告するぞ。と脅されてしぶしぶ話し出した。


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