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「親友の妻」
【熟女/人妻 官能小説】

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S恵美の弱み-1

翌朝、恵美さんの弁護士から呼び出しを受けて行ってみると
恵美さんも同席していた。
「田所室長に対するセクハラの示談金として500万円請求しようと思うのだが支払う気持ちはありますか?」
「そんな法外な示談金は払えません。セクハラで500万円なんて聞いたこともありません。」
とは言ったものの法廷で戦えば示談金は安くなるだろうが
「セクハラ弁護士」のレッテルを貼られ今後の弁護士活動に大きな支障をきたすことになる。
その辺も見越した上での狡猾な請求だ。「田所室長と二人にしてもらえませんか。」
「本人が二人きりになると恐怖を感じると言ってますし交渉する気はないともおっしゃっています。」
「わかった。一日だけ考えさせて下さい。」と言って退出するのがやっとだった。
山本秘書課長が言った。「大杉さん秘書室へは出入り禁止ですよ。すぐに出て行ってください。」
「山本秘書課長にも関係あることなんです。息子の翔君の心臓移植の事なんだ。
シアトル大学附属病院へのデポジットの件でメールが欲しいと田所室長に伝えて欲しいんだ。」
メルアドをメモして手渡した。「一応は伝えますが期待しないでください。」笑顔が引きつっている。
午後になって恵美さんからメールが入った。
「何のことかよくわからないわ。NPO法人「AAA]に寄付はしたけど後の事は知らないわ。」
とぼけているが返信してきたのがそれなりの理由があるの証拠だ。
「AAA]の帳簿の一部を添付した。「〇月△日 松井建設(株)から寄付 1000万円」
そして「この件とセクハラ問題の件を会って相談したい。」と付け加えた。
「会う必要はないわ。寄付金の6000万円が1000万円と記載されているのはAAAの問題よ。」
シアトル大付属病院への送金は緊急を要したため理事会にかける時間がなかったのだ。
それで理事長が独断で送金し辻褄を合わせる為に寄付金を1000万円と記帳したのだ。
理事長は寄付を頂く見返りに5000万円を指定の口座に振り込む密約を録音していた。
「恵美さんは会社の金5000万円を個人の裁量で詐取したことになります。
すぐに秘書室に戻ってください。お待ちしております。」
わずか数分で恵美さんが秘書室に飛び込んできた。
「本気で詐取したなんて思っているんですか。」
「あなたはAAAを迂回させて振り込んだことになります。北朝鮮と同じやり方です。
これは明らかに犯罪です。会社の金5000万円を横領したことになります。」
「違うわ。6000万円は間違いなく当社の経理部からNPO法人「AAA」に振り込まれているわ。」
黙って密約のヴォイスレコーダを流した。
追い討ちをかけるように「久志が死ぬ10日前は昏睡状態だったと医者は言っています。」
もちろんはったりだがこの一言で恵美さんはがっくりとうな垂れた。
重役専用の応接室へ移動しぽつりぽつり話し始めた。
「恵美さん話はゆっくり聞きますがその前にコーヒーを入れてくれないですか」
トレーを手に入室した恵美さんに「人に聞かれるとまずいですから。」と言ってドアーをロックさせる。
「実は追加デポジットの話があって私はすぐに銀行に走りました。
でも夫が死んだ直後で夫の口座は凍結されていました。
遺産相続がはっきりするまではお金は出せないんですね。
生命保険会社にも掛け合いましたが駄目でした。
私、本当に5000万円のお金は私個人で支払うつもりだったんです。」
そこまで聞いたところで健太郎は恵美さんの隣に移動した。


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