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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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-3


「買います!」
別に好きなオトコじゃないから、恥ずかしくもなくて。
ズンズン入って行ったコンビニで
下着と化粧品のお泊りセットを買った。

お金を出してくれそうになった阿部さんを制して
「私のものなので自分で払います」
そう冷たく言った私を見て、阿部さんは小さく笑った。
「元気、出てきたじゃん」

エレベーターで上の階に行き、通路を歩くとほんの少しひやっとして
高層階の風が吹き抜けた。

鍵を開けて入ると部屋の電気は付けっ放しで
テレビも付いていて、よっぽど慌てて家を出たらしい。

「あ〜。来ると思わなかったから、片付けてない」

そうは言っても綺麗にしてるその部屋は
男の一人暮らしには思えないほど整っていた。

「悪けど俺が先に風呂入っていい?めちゃ気持ち悪い」
汗だくの阿部さんはシャツをパタパタさせて服のなかに風を入れた。
かけてきてくれたんだ。

なにも言わないけど先客さんの電話に慌てて来てくれたのが良く分かった。
「帰るなよ」
あっという間にシャワーを終えた阿部さんは
「風呂をためたから入ってこい。寝られる準備をしてそれから話を聞いてやる」

まさか、昨日初めて知り合った人の家に泊る事になろうとは思いもしなかったけど
それでも、ヤツの会社は抑えてある!部署もね!
何かしたら逃げられないんだから、阿部さんだって変な事はしないだろう。

そう考えて可笑しくなった。



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