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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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楽しい時間-1

 5月3日の朝は早起きをして、朝食とお弁当を作るのに忙しい、中学生だから大した物は作れるわけじゃないけど、卵焼きは出汁巻きでこさえることもできるし、鶏のから揚げだって冷凍食品じゃなく、卵と片栗粉を溶き、塩としょうがで味をつけ、醤油を数滴たらし油で揚げればいいだけでしょ。きんぴらごぼうは前日から汁気を飛ばすように煮詰めて、最後は焦がさないようお鍋がパチパチ当たるくらいまで汁気を飛ばしてやることがコツかな? ブロッコリーはゆでて荒熱を飛ばし、乾かすように冷蔵庫に入れて置けば、次の日にゆで汁もでることはない。おにぎりの鮭は前日から焼いた鮭をほぐして使うとよりおいしい、鮭フレークの鮭はこれからすれば高いし、第一おいしくないよね。握ってすぐ詰めると蒸れるから、すべての食材をお弁当に詰めるのはタブーなの。こういうことをママから教わり順子は育ってきた。ママを仕事に先に送り出して、もう一度シャワーを浴びて、お風呂場から出、鏡に写った順子を見る。さすがに中二にもなれば胸が大きいのも隠せない。
 パパが逮捕されて、順子は恥ずかしいのを堪えてママにお願いしたの。
「ママ、ブラジャーを買ってください」って、かつて完璧に拒否されていたあたしの欲しいブラジャー。
 多分パパが出っていった事と関係があると思うのよ、ママったらすっごく嫌な顔した後に、スポブラを二枚だけだけど、初めて順子に買い与えてくれたの。
 多分ママは順子を女として見るのが嫌なんだと思うの、パパに犯されてきたのを見て見ぬ振りしてたのだって、パパがパイプカットしたのだって、全部ママ知っていたんだと思う。妊娠しないとわかっているのなら、成長する順子を女と意識しないですむのなら、それでよかったって思ってるんじゃないかしら? 罪の意識で泣いてる順子を見るの、大人になれないで居る順子を見るのが彼女には安心していられるんじゃないのかって、彼女の愛情はとっても支配的だと最近思い始めて……だめだ、このことを順子に悟られるのはきっと好くないハズ、あたしの中にしまっておくべきだと思う。
 スポブラを付け、少しボーとしてながら、青いワンピースを上からかぶるの。初夏に合ったさわやかな順子お気に入りのワンピースを、とてもガーリーでかわいらしく素敵なよ。
 駅前のバス停に時間前に到着する、学校での身バレから、人ごみが怖い。理屈では順子がパパにされてきた娘だってわからないはずなのに、実はそーいう目で見られてるんじゃないのかって、どこかで怯えている。でも今日は大丈夫、同盟を結んだ二人がいるもの、きっと大丈夫なハズ。

二人は先に到着していて、
「ごめん、先についていたのね」
「ううん、僕らもちょっと前に着いたトコ」
「ちゃんと生徒手帳持ってきた、都内通学って証明になるとお金かかんないんだからね」
 しっかりした娘だなあって、そーなの、葛西臨海水族園って都内通学の生徒は入場料が免除されるというおいしい特典があるので、母子家庭の順子にはバカにできないところなわけ。
「葛西さん、お弁当重そうだね、持つよ」
「あ、いいのいいの、順子は一人でもてるから」って船橋さんがいう? 普通はさーって。
「なにをー(怒)って、あたしのこと下の名前で呼んじゃって(笑)」
「いいじゃーん、クラスの他のやつら居ないんだしー」
 何気に変わった子だけど、くすぐったいように嬉しいことをって、なんか楽しい。
 バスが来て、GWだけにやたら人が多いの、それを紛らわせようと、先日借りたラノベのことをみんなで語りだした。臨海公園に向かう環七が混んで、予想以上に時間がかかったけど、ラノベ好き同士、話が盛り上がってね、キャラとか設定とかって、大盛り上がり、やっぱり共通の話題があるって、何気に嬉しいよね。それでも到着するまで時間がかかりそうだったからずっと気になったことを話してみる。
「ねえ、二人ともさ、あたしのことどー思ってるわけ? きもいっておもってない? だってあたしさー、実のパパにアレされちゃってたんだよ」


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