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よだかの星に微笑みを(第二部)
【SF 官能小説】

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繋がり-1

「おい、まんこ男。」
昼時にマリエから通信があった。
「あんた、学校だろ。なんだよ、昼に。」
「どうして待ってたのに来なかった? せっかく洗ってやっておいたのにな。」
「そんなことしに中学校、行けるかよ。」
「何か敵対勢力にやったのか?」
「まだしてない。」
「作戦がひとつ成功した。これである都市に実験動物は今のところ居なくなった。」
「あ、そう。」
「敵の新型が出てこなかったからだ。奴はキメラで、二重三重に変身する。それに一体が数十体分の武器を持ってる。奴の居なかった理由が分からない。本当に知らないのか。」
その作戦とやらの日に、俺とアンカはまたホテルで壮絶に異種間交配をしていたのだ。
「詳しい情報、まだ教えてもらってないだろ。どこに居るんだよ。あと、俺も作戦に加わって、そいつと戦えってこと?」
「お前なら位置も何も分かると思ったんだけどな。密かに処分してもらえたらいいんだよ。再起不能にするだけでいい。」
アンカのことを言われていると思うと腹が立った。
「あのさ、あんた、化粧してるけど、お尻の穴にトイレットペーパー着いてるよ。あっ、乳首に毛が生えてる。臍もかなり臭いぞ。」
「ひどいひどいひどい! なんでそんなこと言うんだ! 女の敵!」
また泣かしてしまった。
でも、こっちは人生に関わることだ。
マリエ達のしていることはテロ行為に他ならない。それを防ぐというだけなら、敵対勢力は警察のようなものだ。
また通信が来た。だが、繋がらない。入らないラジオ局を回っている感覚だ。しつこく発信してくる。気に障ったので、こちらから相手を探ってみた。チャンネルが合ったと思ったら
「わあ、繋がった! 弘前君、こんにちは。これって、敵の周波数?」
「違うと思う。個人的な回線の気がする。どうしたの?」
「素敵! このあいだ一緒にいた時ね、本当は組織の作戦があったの。あたし達、行かなかったでしょ。」
「俺、関係ないもん。大丈夫だったの?」
「怒られた。」
「それだけ?」
「大丈夫、大丈夫! 気にしないで。」
「あのさ、アンカ、もしかして人殺したことある?」
「ないよ。でも仕事の時は、傷付けてる。しょうがないよ。」
「どんな風に?」
「男性だったら、急所があるでしょ。あれが簡単だから、遠くから狙い撃ち。あたしは音波で一度にたくさん潰せるの。女性の戦士には、そういうの多いよ。玉専門の子もいる。ハリネズミの女の子なんか、串刺しにしてるよ。あと、あたしは相手が女なら普通に顔殴っちゃう。」
「玉専門。串刺しに。なんだか腹が痛くなってきた。」
「でも、弘前君の、手で触ってから、もうしない事にした。見たこともなかったからできたんだよ。」
俺は、秋に何人かの男を半殺しにした自分を思い出した。
「アンカのいる組織って、何をしようとしてるの? 俺、本当に何にも知らないんだよね。」
「人間が快適に生きていける環境作りかな。豊かさ、健康、安全、快適、余暇。そのためのテクノロジーじゃない?」
「最高だね、それ。じゃ、君らの敵対勢力は?」
「なんかね、同じなの。ただ、主語は、人と動物が、になってる。それだけで話、全然違ってくるよ。そもそもそんな世の中作るの無理だし。向こうはテロリストだよ。」
「アンカ達は具体的に何するの?」
「遺伝子組み換え作物や家畜の促進とか、医薬品やサプリメントの開発とか、土地改良とか開発とか。政治も絡んでるけど。あたしなんかは敵の駆除係みたいなもの。あのね、あたし、弘前君のこと考えながら大学で今オナニーしてたの。そしたら繋がった。話で冷めちゃったけど、嬉しい。これからいつでも話せるね。じゃ、練習があるから、またね。」
「お前、ベンチで空見つめて大丈夫か? 呆けとるで。なんやその頭。コスプレか? 例の中学生のおもちゃか?」
渡部だった。俺はさりげなく触角を引っ込めた。
「卒論が決まらない。」
「前に言うとった『よだかの星』にせい。所詮は卒論やろ。俺にはまだまだ先があるんや。」
「そうしようかな。『よだかの星』と共産主義、とか。毛沢東語録、お前、読んだ?」
「どこから共産主義が出てきたん? 俺の専攻、分野も時代も違うわ。お前はマルクス読んだんか? まあ、そのタイトル、宮沢賢治即仏教、でないところはおもろいな。」
「まあ、いいや。また五時な。」
「伊月は今晩デートやと。」
「晩なのかよ。」
共産主義など出てきたのは、組織がやはり似ていると感じたからだった。しかし、人間が集団で、ある思想を実現しようとすれば、どこも類似した形になるのかもしれない。そして分裂があり、派閥ができる。その過激さもまちまちだ。
「あ、やばい。」
ポリアンナと会う時間だった。俺は急いでアパートに向かった。 


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