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つまみぐい
【その他 官能小説】

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のぞかれた家政婦-5


 次の日もかほりは朝早くから車を運転して天馬邸を訪問し、日出子婦人の代わりに利文の世話焼きを愚痴もこぼさずにこなしていった。朝食の支度にはじまり、掃除、洗濯、それに彼の仕事が煮詰まった時には話し相手も引き受けた。なかなか良いアイデアが浮かばない、と言うので相談に乗ってあげたのだ。
「天馬様はどんなお仕事をされているのですか?」
 利文が官能小説を書いていることを知らない振りをしてかほりは訊いた。
「その、天馬様、というのはよしてください。何だかこそばゆいんで」
「では、どのように?」
「普通に利文で良いです」
 かほりは承知してうなずいた。
「じつは僕、小説を書いているんです。あんまり売れてはいないけどね」
「どんな小説ですか? 私にも読ませてください」
「いやいや、やめておいたほうが良いと思います。全然おもしろくないですから」
 沈黙のあと、かほりは腕組みをして考えた。官能小説のアイデアが浮かばないとなると、性欲を刺激するために女性の裸などを見たほうが良いのかもしれない。
 だったら私の裸を──と破廉恥な台詞が喉まで込み上げてきたところでかほりは思い直した。
「部屋に閉じこもっているより外の空気を吸ったほうが気分転換になると思います。もしかしたら素敵な出会いがあるかもしれませんよ」
「なるほど、それもそうですね。素敵な出会いかあ……」
 言いながら利文がかほりの顔をちらちら見てくる。かほりは視線を逸らし、頬を赤らめた。空咳をしてごまかしたが、内心はとても複雑だった。
 夕飯までには戻ります、と言い残して利文は間もなく出掛けて行った。昨日に引き続きかほりは留守番を任されるかたちになったのだが、大体の家事は済ませてあるので持参した水筒のコーヒーで休憩を取ることにした。立ち上る湯気が香ばしい。
「はあ……」
 誰も居ないので気兼ねなく大きなため息をついた。スマートフォンを取り出し、検索アプリをタップする。検索履歴の中に「官能小説」や「バイブ」とあるのを見て下腹部に違和感をおぼえる。
 夕べ、夫が就寝してから官能小説を読んだりバイブの画像を眺めたりしていた。自慰は我慢したが、むらむらした気持ちのせいで寝付きは悪かった。
 ただ体を慰めたいだけなのに──かほりは休憩もそこそこに利文の部屋に忍び込んで官能小説を読み漁る。虚ろに泳ぐ瞳で文字を追い、唇を舐め、淫らな夢を見させて欲しいと願いながら胸のふくらみを揉みしだく。
 真冬だというのに額にうっすらと汗を光らせ、山吹色のキュロットスカートを脱ぎ落として女の丘を指でなぞり、わななく太ももで腕を挟む。
「あ……、あ……、あん」
 指の動きがだんだんせわしなくなる。ショーツを下ろすと愛液が糸を引き、それが途切れたところで陰部の肉を思う存分こねくり回す。四つん這いになり、腰を高く上げて指を挿入させると、かほりは本格的にオナニーを楽しみはじめた。
「うん……、んん……、あ……、気持ち良い」
 白濁した汁が膣から垂れて利文の部屋を汚していく。貞淑でなければならない人妻が秘め事をしているなんて、彼は想像すらしていないだろう。でも官能小説を書いているくらいだから、女の匂いには誰よりも敏感なはずである。
 


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