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渡れない岸辺
【兄妹相姦 官能小説】

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3-1

 二人は一度アパートに戻り、荷物をまとめると再び新宿に向った。
 今度は長野へ向かうのだ。
 急行列車に並んで座る、電車が滑り出すと麻衣がぽつりと言う。
「ああ、新宿も歩いてみたかったな、こんない高いビルが沢山並んでるところなんて他にないもん」
「それは確かにそうだな、今度来た時に案内してやるよ」
「ホント? また来てもいいの?」 
「ははは、わかってるくせに」
「えへへ……」

 車中の二人を見かけた人は兄妹か恋人同士か判断に苦しんだに違いない。
 確かに今の雄介と麻衣はそのどちらでもある。

「ただいま!」
「母さん、帰って来たよ」
 実家の玄関で奥に声を投げ掛けると、母が少し慌てている様子で出てきた。
「どうしたの? 急いでるみたいだけど」
「ああ、雄介、麻衣、お帰りなさい……いえね、新潟の義兄さんが急に亡くなってしまってね」
「え? 伯父さんが?」
「そうなんだよ、昨日危篤だって知らせが入ってね、お父さんは飛んで行ったんだけど、夕べ遅くにね……」
「元気そうだったのに」
「クモ膜下だったのよ、それで母さんもこれから行かなくちゃいけないの、せっかく里帰りしてきたのに悪いわね」
「何言ってるんだよ、当たり前じゃないか」
「それでね、今晩はお通夜で向うに泊まることになるけど、明日葬儀が終わったら帰ってくるね」
「そんなに急がなくてもいいよ」
「そうじゃないのよ、家の人はただでさえ大変なんだから泊まったりしたら余計に負担かけるでしょう?」
「なるほど、それもそうだね」
「明日の晩帰ってくるから……遅くなると思うから夕食は二人で何とかしてくれる?」
「ああ、わかった」
「じゃあ、留守を頼むわね」
「ああ、伯母さんに行けなくてすみませんと言っておいて」
「わかってるわよ」
「駅まで車で送ろうか?」
「バスの時間に合わせて支度してるから大丈夫よ、帰りはお願いしたいな」
「ああ、任せておいて」
「じゃあね」
 
 母は着替えを済ませると父の喪服を携えてせかせかと出て行った。

「伯父さんがねぇ……」
「お正月に会った時は凄く元気だったのに」
 新潟の伯父さんというのは父の長兄、正月には一族が集まって大宴会となる、雄介はここ数年は冬期講習があるので会っていないが、陽気で優しい、大好きな伯父だっただけにちょっとショックだ。
 しかし……今に限って言うならば雄介と麻衣にとっては幸運でもある、今晩は二人きり、明日も夜までは二人きりだ、しかも駅まで迎えに行く約束をしたのでいきなり帰ってきてしまう恐れもない。

 母を見送ってしまうと二人並んでソファに腰掛け、唇を合わせる。
 雄介にしてみれば昨日の残り火がまだ下半身に残っている感じなのだ、そしてそれは麻衣も同じようだった。
「俺の部屋に行こうか」
「でも……もしまた血が出たら……」

 今朝、ホテルにシーツにはしっかりと出血の跡が残っていた、麻衣はきまり悪がっていたが、実家でそれはきまりが悪いでは済まない。
「お風呂は?……」
「そうか、その手があるな」
 
 洗面所で昨晩の様に麻衣の服を脱がせてやる。
 昨晩ほどに恥ずかしがって顔を覆うようなことはないが、始終俯いて脱がされるままにしている、その仕草がなんとも愛らしい。
 
 雄介と麻衣の実家は民家を改築したものだ。
 サラリーマン家庭ではハウスメーカーが建てたようなモダンな家も多いのだが、父の好みであえて民家を買い取って手直ししたのだ。
 雄介もここに住んでいた頃はモダンな家の方がいいのに、と思っていたものだが、一旦離れて見ると父の好みがわかる様になった。
 二間続きの和室と広縁は開放的で風が通るとなんとも心地良い涼しさ、夏休みはここで風に吹かれていると心身ともに休まって活力が沸いてくる。
 木製の掃き出し窓はそのままに外付けサッシを追加してあり、広縁と座敷の間には障子もあるので冬も暖か、
 民家と言っても土間だったところにはフローリングを敷いてシステムキッチンが入っているし、2階の12帖だった和室は二部屋に区切って雄介と麻衣の個室に改造し、男女別になっていたトイレも一つにまとめて広々としたトイレに改造されている、民家の良いところは残し、機能的でない部分には手を加えてあるなかなかセンスがある家だと思っている。
 浴室もしかり、浴槽は新しい物に換えてあるし給湯器は外付けになっているがなんとなく味のある床や壁のモザイクタイルは残してあり、なにより広々としているのがいい。
「掃除が大変」と母はこぼしているが父はそこだけは譲らない、雄介もこの浴室は大好きだ。
 まだ残暑が厳しい時期ではあるが、避暑地としても知られるこの辺りは日が落ちるとぐっと涼しくなる、東京ではシャワーしか使わない雄介だが、実家に帰ればゆったり湯に浸かるのを楽しみにしている。


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