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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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現実の世界では-3

「何だって!」「何てったっ!」

悠子がとんでもないことをアッサリと言ってのけたため、驚いた当事者の姉弟は声を揃えた。

「何言ってるのよ。あたし達は姉弟なのよ。そんなことできるわけないじゃない。そんなことは由香里先生に頼んでよ。あれ?由香里先生は?」

「優子ちゃんが気を失ってオナニー始めた時から、美咲ちゃんを連れて予備車両に行ったままですよ。ついでに雄一達の応急手当もするって」

宮本が答えた。救急箱も予備車両にある。今頃、雄一は腕の湿布、乾と吉田の顔にはべたべたと絆創膏が貼られているはずだった。

もちろん、幽体である悠子は、由香里や雄一が予備車両に居ることはわかっていた。というより、由香里の心に働きかけて、雄一を車両から連れ出させてもいたのだ。

悠子の考えでは、由香里か寛子のどちらかに特別車両に行って貰えれば、陽子に星司の相手をさせられる状況に持ち込めると踏んでいた。唯一の弊害は、自分の姉がそんなことをけしかけることを、良しとしない雄一に止められることだった。しかし、それもまだしばらくは大丈夫なようだ。

「陽子ちゃん、正直に言いなさい。本当はしたくて堪らないんでしょ」

弟の目が無い悠子は大胆に聞けた。

「幽体のあたしは騙せないよ。てか、みんな知ってるよ。ねえみなさん、そうでしょ?」

悠子にふられたプレイヤー達が揃って頷いた。

「うそ…」

一部の幹部にしか知られていないと思っていた陽子は、恥ずかしさで真っ赤になった。

「ねっ、今さら気にしても仕方無いでしょ」

「で、でも星司が嫌がるし…」

陽子がもじもじしながら答えた。

「大丈夫よ。星司くんは嫌がらないよ」

「何を言ってるんだ。陽子にそんなことさせるわけにはいかないだろ」

それをふられた星司は慌て、当事者を無視した悠子の進行に異を唱えた。

−あれえ〜、じゃあアレをバラしちゃおうかなあ−

悠子が星司の心に語りかけた。

−な、何だよ−

意味深な悠子の口調に星司は気を引き締めながら聞いた。

−うふふ、今さらブロックしても無駄よ。例え星司くんでも幽体のあたしに隠し事は無理なの。コレをバラされたくなかったら、おとなしく陽子の奉仕を受けなさい−

悠子は言葉と共に或る思念を星司に送った。

−ゆ、悠子、お前…−

星司の顔が瞬時に赤くなった。

−うふふ、あたしは今さら気にしないよ。でも、苦しむ陽子ちゃんをもう見たくないの。思春期の頃からの陽子ちゃんの願いを叶えてあげて−「お願いします」

お茶らけた雰囲気を抑えて、悠子が真面目な顔で、最後は声に出して頼んだ。

「わかったよ…。よ、陽子、頼む」

恋人である悠子に説得されて、星司は苦虫を噛み潰したような表情で姉を促した。

「えっ?い、いいの?」

陽子は戸惑いを見せつつ、遠慮がちに弟に確認を求めた。もちろん視線を交わす勇気はなかったが、その胸はドキドキと高鳴り、その高揚感で張り裂けそうだった。

「ああ」

星司はぶっきらぼうな返事を返したが、こちらも視線を交わすことはしなかった。しかし、陽子は少しだけ安堵した。星司がそんなぶっきらぼうな態度を取る時は、照れの裏返しだと姉の陽子にはわかっていたからだ。

震える手を恐る恐る伸ばし、陽子の指先がそれに触れた。

「うっ…」

星司がピクリと反応した。

精液のぬるぬるした感触を通して、男の硬さと熱さが陽子の指先に伝わってきた。

「ごきゅり…」

直ぐ横で見守っていた優子が喉を鳴らした。そして、この緊張に堪えれなくなって口を開いた。

「ね、ねえ悠子さん、さっきの星司さんの弱味ってなんですか?」

心の中で聞けばいいのに、緊張のため、優子の判断能力が低下していたのだ。

−うふふ、星司くんの記憶を見せてあげるね−

悠子は優子の心にそれを映した。

「えっ…、うそ…、やだ…」

優子がつぶやく度に、星司の耳がピクピク動いた。 


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