投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『JUSTICE』
【青春 恋愛小説】

『JUSTICE』の最初へ 『JUSTICE』 5 『JUSTICE』 7 『JUSTICE』の最後へ

『正義の裏切り?』-1

■綾女's View■

あたしは信じられなかった、目の前に広がる光景が。香織と正義が…楽しそうに二人で買い物している。
(なんで?どうして?)
二人に会って問いつめたい。でもあたしの足は言うことをきかない。あの忌まわしい出来事を思い出してしまったから。

―お前なんか遊びに決まってんじゃん。ガードかてぇし、だいたいうぜぇんだよお前。―

(何よ、信じろって言ったくせに。結局…いっしょじゃない…ッ!)
あたしは走ってその場を後にした。


■正義's View■

「おい、どういうことだよ、正義!」
学校についた途端、信秋が詰め寄ってきた。
「ちょっ!おい、何なんだよいきなり!」
理由もなく胸ぐらまで掴まれたんだ。そりゃ俺だって怒鳴り返す。
「とぼけても無駄だ!お前、香織と浮気してるんだろ!」
…またずいぶん突拍子もないことを言われたもんだ。
「…はぁ?なんでいきなりそうなるんだよ。だいたい俺は綾女と…。」
しかし、そこで信秋が俺の言葉の先を奪った。
「その綾女ちゃんが、昨日偶然会ったときに泣きながら言ってたんだよ!『正義と香織が浮気してる。二人で楽しそうに買い物してた。』ってな!」
ああ、昨日のことか。綾女のやつ見てたのか。
「だからあれは…。」
俺が事情を説明しようとするのだが…
「てめぇ見損なったぜッ!」

バキッ!
ドサッ!

「ぐっ…!」
信秋に殴られた。
「やめろ、村田!」
慌てて龍一が止めに入った。
「佐藤がそんなことするやつじゃないってのは、お前が一番よくわかってるだろ?」
龍一が必死でフォローしている。俺はゆらりと立ち上がって信秋に言った。
「…貴様、人の話も聞かずにこの俺を殴り倒すとはいい度胸だ。」
俺は昨日香織ちゃんといっしょにいた理由を信秋に話した。すると…
「…えっ?…そうなの?」
信秋の顔から血の気がひいていく。龍一はすでに危険を察知してその場を離れたようだ。
「さて、このおとしまえ、どうつけてくれようか…!」
きっと今の俺の顔は鬼の形相というやつだ。
「お、お助けぇ!」
言うが早いか、信秋は一目散に逃げ出した。
(いてて、信秋のやつ本気で殴りやがって。それにしても…綾女のやつ誤解してるのか…大丈夫かな…。)
あいつの気持ちを考えると、俺は不安になった。


■綾女's View■

学校には行く気になれなかった。香織や正義に、会ってどんな顔すればいいのかわからないから。…突然携帯が鳴った。ディスプレイには“佐藤正義”の文字。
(あたしに…何を言う気なの?)
出るべきかどうか悩んでいる間に携帯は鳴りやむ。少しして、また鳴りだす。鳴りやむ。また鳴りだす。その繰り返しに耐えられなくて、あたしは携帯の電源を切った。


■正義's View■

あれから4日経った。携帯には何回電話をしても繋がらない。昨日は綾女の家まで行ったけど、結局話すらできなかった。
(綾女ぇ〜…。)
綾女にたった4日間嫌われて会えないだけで、俺は胸が苦しくて気が狂いそうだ。が、そんな感傷に浸ってる余裕はない。
(今日会えなかったら、こんな思いした意味がないし…最後の手段でいくしかないな。)
俺は携帯を取り出した。


『JUSTICE』の最初へ 『JUSTICE』 5 『JUSTICE』 7 『JUSTICE』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前