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「悪魔の少年」
【ショタ 官能小説】

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S香織逮捕-1

S香織逮捕



今夜も母は帰って来ない。健一は母に恋人が出来たのは見抜いていた。
呼び出しを受ければ嬉々として出掛けるのだ。「これでなんか食べてね。」と言ってお金を渡し夕食は作らないのだ。
香織にとっては生まれて二回目の恋だった。それ故周りが見えなくなる程激しく相手の男を愛した。
昨夜など久し振りの健一の愛撫の手を払いけたのだ。
これで健一の怒りが頂点に達した。母の務めを手抜きするのは許せる。
が、健一の男を無視されたのが許せないのだ。母の牝の部分は完全に掌握し肉体も精神も征服していると自負していた。
その健一との行為を拒否したばかりか「近親相姦は良くない事だわ。私達普通の親子に戻りましょ。」とほざいたのだ。
連日のように健一との性交を懇願していた女が何とも勝手な言い分だ。
その頃健一には15人ほどのセフレがいた。その殆どが自分の夫よりも健一を愛してくれた。
女の心理を読み熟練した性技で女を支配していると確信していた。なのに母は裏切った。
相愛が最高の恋情を産むことが理解できずに母の裏切りととったのだ。
香織の方も新しい恋人に夢中で息子を思いやる余裕がなかった。そんな母を健一は憎んだ。
二年前母にこっぴどく叱られた時も母が買った新品のスニーカーの靴底の突起を切り取って留飲を下げた事がある。
切り裂く根性は無いのだ。ただ憎しみを下げる為の何らかの逆襲の行為が必要だったのだ。
半年ほど前あまり使われていないこのスニーカーが捨てられていたので間違い破棄だと思って拾って帰った。
「あまり履かないからまだ綺麗なんだけど思い切って捨てたのよ。」という説明だった。
それから数日して刑事の訪問を受けた。この時、本屋の久永と美容室の牧村の関係を話した。公園で肉屋の二代目と
と言い争っている久永を見た話しもした。刑事二人は帰る間際香織に尋ねた。
「ところで奥さん足のサイズはいくらですか?」「はい。私は24cmですが。」「ナイキのスニーカは持っていますか?」
「いえ私はスニーカはアディダスしか履きません。そこのシューズボックスにある2足が全てです。」
隣の部屋で聞いていた健一は異様な違和感に包まれた。(母は事件に関与している。)その時そう感じた。


多摩川警部のデスクの上に今日着いた小包が置かれている。ナイキの24cmのスニーカだ。
当然事件に関りがあると思い鑑識に回した。そして翌日驚愕の報告を受けた。
事件当日にとったゲソ痕の土踏まずの部分の突起が無いのを見落としていたのだ。
「多摩川警部。この靴事件現場の靴跡と完璧に一致します。犯人が履いていた物だと推定できます。
かかと部分の消された名前を復元した結果「カオリ」と読めます。心当たりはありますか?」
再び田所香織を引っ張った。取調室のデスクに置かれたスニーカーを見て驚いた。捨てたはずの靴がそこにあった。
「このスニーカーはあなたの物ですね?」調べればすぐにわかる事なので認めた。
「この靴の足跡が犯行現場の物と一致したのです。あなた久永の裏庭に入りましたね。」
「いいえ。入っていません。同じ靴は沢山あります。どうして私のだと言えるのですか?」と逆襲した。
「この靴は土踏まずの所の凸部が一つ削り取られているのです。犯行現場にあった物と同じです。」
香織自身も知らなかった靴の特徴を示され黙ってしまった。
一日中攻められついに裏庭に入った事は認めざるを得なかった。
しかし殺人は絶対に認めなかった。新しい恋人と新しい生活に入る事を約束していたからだ。
ここで捕まれば新しい幸せを手放す事になる。必死で抵抗した。


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