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「悪魔の少年」
【ショタ 官能小説】

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@殺人事件-1

@殺人事件


「健一おかえり。まっ、どうしたの?その顔」
「母さん何でもないよ。帰宅途中転んだんだよ。」
「すぐに顔を洗ってきなさい。薬を出しておくわ。」
健一が学校でイジメられているのは知っていた。
今年から中学へ通うようになったので母は好転する事を期待していた。
だがその母の期待も一瞬にして消えた。
小学校の時からいじめっ子だった権藤翔太と同じクラスになってしまったのだ。
170cm60kgという大人顔負けの体躯に野球部で鍛えた腕力で叩くのだ。
どつき漫才にハマっていて事あるたびに「何でやねん」と言って健太の後頭部を叩くのだ。
140cm38kgの健太はそのたんびに前につんのめり周りの嘲笑をかうのだ。
手加減したら面白くないので本気でバシッと音がする位の強さで叩く。
今日もそれをやられてつんのめり机の角に顔面を打ち付けたのだ。
教室のみんなもそれを止めるどころか大笑いするだけだ。
両手を叩いて大笑いしている者さえいる。
母が心配するので学校での出来事は一切話してないが薬を塗ってもらいながら涙があふれ出た。
そんな息子が愛おしくて黙って息子を抱き優しく頭を撫ぜる母だった。
その日の深夜健一は母を起こさないようにそっと出かけた。
ちょうど一か月前だ。翔太の家の壁に「翔太は出べそ」って落書きし留飲を下げていたのだ。
その後もイジメられるたびにその誘惑にかられたが張り込まれている様な気がして今日まで行けなかったのだ。
それに今日は午後からお父さん達とキャンプに出掛けると聞いていたのでその気になったのだ。
勿論ペンキで書き込むような度胸はない。赤いチョークで壁に小さく書くだけだ。
書き終わって写メを撮っている時に玄関のドアーが開いた。
逃げる間がなくて素早く電柱の陰に隠れた。
中から現れた翔太のお母さんが男に小声だが激しい口調で「これ以上私に付きまとうと後悔することになるわよ。」
男が電柱の横を通った時、街灯でその横顔がはっきりと見えた。
どこかで見た顔だ。その時は思い出せなかったが目的を達した健一にはそんな事はどうでもよかった。
それから一月ほどたったある日いつもの通学路になっていた商店街が通行止めになっていた。
赤色灯を回転させたパトカー3台が商店街に突っ込んでいた。
「どうも本屋さんのご主人が亡くなられたようよ。」商店街の入り口の果物屋さん達の話声が聞こえた。
健一には関係ない人なので遠回りをして学校へ行った。
帰宅する時には通行止めは解除されパトカーもいなかった。
シャッターに閉ざされた本屋の前に立った時思い出した。
あの夜翔太のお母さんと会っていたのは本屋のご主人だと思い出したのだ。
時々店外に積まれている雑誌のほこりをはたいている姿を見ているので間違いはない。
翌日の朝刊は割と大きなスペースでこの事件を報じていた。
死因は後頭部打撃による脳挫傷。
凶器は本屋の主人が運動不足解消のために素振りに使っていた金属バット。
金庫の数十万円には手を付けていなかったので動機は怨恨によるものだろうと書かれていた。


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