投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

愉楽
【SM 官能小説】

愉楽の最初へ 愉楽 4 愉楽 6 愉楽の最後へ

愉楽-5

密かにタクヤさんに想いを寄せ始めていたわたくしは、自分が主人に見透かされたようで、
なおさらそれを否定しようと平静を装ったように言いました。
わしが家を空けるあいだだけのことだ。主人は顔色ひとつ変えることなく言い、触れ続けてい
たわたくしの下半身を、有無を言わさず、いかがわしい貞操帯で包み込み、鍵をかけてしまっ
たのでございます。


主人がいない家で、タクヤさんという若い男性とわたくしが一つ屋根の下でふたりだけでいる
ことへの主人のわたくしに対する不安は、ある面では夫の姑息で、特異な性格を初めて垣間見
たような気がいたしましたが、逆にそれはわたくしのタクヤさんへの淫らな想いをさらに掻き
立てることになったのでございます。



大胆にも自分がそういう行動をするとは夢にも思ってもおりませんでした。

主人が家を空けたあの夜、わたくしが密かに訪れた部屋でタクヤさんはぐっすりと眠りにおち
ていました。わたくしは彼の浴衣の上半身をそっと肌けさせ、半裸の容貌を目でなぞりました。
丸みを帯びた肩から起伏のない肌理の細かい白い胸肌の輪郭は、女のようにくびれた胴体の線
を描き、陶器のようになめらかで濁りのない肌は艶やかな光を孕んでいました。

毛のない腋窩の翳りが悩ましく思うくらい甘味な匂いを漂わせ、女のわたくしが嫉妬するくら
い雪白のきめの細かい胸肌は、微かなふくらみが薄く形取られ、薄桃色の乳輪はすそ野をやや
大きく広げ、可憐な小粒の乳首は息吹き始めた蕾のように彩られていました。

彼の裸から目を背けようとする微かな恥ずかしさと視線をとどまらせたい情欲がわたしくの胸
の中で淫靡に混ざり合うのを感じました。彼のからだは漲った男性の肉体というよりも、何か
妖艶なものを感じさせ、遠い薄暮の空のように物憂く澄み切りながらも、どこか瑞々しい脆さ
を孕んだ儚げとも言える媚態であり禁欲的な官能さえ漂わせるものでした。

瑞々しい肉体は、わたくしを酩酊に惑わせるような突起と窪みの陰影を不調和に醸し出してい
ました。

わたくしは沸々と湧きあがってくる欲情をおさえることができませんでした。眠っているタク
ヤさんの腰の帯を解き、全身の浴衣を剥ぐと、彼は真っ白なブリーフだけの姿になりました。

瑞々しい太腿の付け根にはベールで包まれたようなこんもりと膨らんだものがまるでわたくし
の窪みに迫ってくるように光沢を放っていました。薄く透けた生地の中に滲んだような淡い繁
りと蚕を潜ませたような肉塊の柔らかい翳り……その薄らと浮かんだ輪郭は、わたくしの空洞
を充たしてくれる欲望であり、恍惚とした甘い香りのする、思わず、かじりたくなるような禁
断の果肉であり、わたくしを初めて女としての潤いに導いてくれる純潔そのものの気配がしま
した。

それまで男性のものはおろか、夫のものさえ触れたことのなかったわたくしは、タクヤさんの
ふくらみに、切ない溜息と微かな窒息感にまどろみながら、ふらふらと微かに震える指先で
それに触れようとしたときでした。不意にタクヤさんの寝息が変わり、彼はわたくしの前から
身体を隠すように寝返りをうったのでございます。わたくしは、はっと我に返り、気恥ずかし
さから逃げるように彼の部屋を出たのでございます。



愉楽の最初へ 愉楽 4 愉楽 6 愉楽の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前