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恋のばんそうこう
【女性向け 官能小説】

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「大好きだよ」
「乃恵より?」

私のその言葉にビックリしたように

「今ここで言うか?」

と笑いだす。

「言うでしょ!それだけは教えてよ!」

不安そうなわたしの顔を見て、白木は苦笑いした。

「乃恵ちゃんの事はもう好きじゃないよ。
綾香だけ。綾香だけを愛してるよ」

その言葉に、夏休み中引っかかっていたもやもやとザワザワした感情が
スーッと消えてどこかへ飛んで行った。

痛いの痛いの飛んでけ〜と

白木が呪文を唱えたように。

「綾香は?」
「え?」
「成田さんはもういいのか?」

私の首筋をゆっくりと舐めながら、白木が視線も合わせずに言うから

「どう思う?」

なんてからかってみる。

「ほんと、意地の悪いオンナ」

悔しそうにそう呟いた。

「いつまでたっても成田さんを好きだって言うし、
ノースリーブで飲みに行くなって言うのに行くし。
お前を好きだって言ってる男と飲んでるし。

綾香の行動のすべてから目が離せないよ」

苦笑いした声が耳元で聞こえたかと思ったら
そのまま耳たぶを強めに噛まれた。

「痛っ」
「お前がはっきり俺を安心させないからだ」

私の言葉で不安になって・・・
私の言葉で、安心するんだね。

私も、白木が好きだと言ってくれたその言葉に安心する。

「白木大好き。白木だけが好き」

私も、白木に呪文をかける。

痛いの痛いの飛んでけ〜

お互いに、憧れだった恋の傷を癒して本物の恋を手に入れる。




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