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川村未来14歳のセックスマシン的日常とそれを見守る私
【学園物 官能小説】

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私の過去〜現在 そしてミクへの想い-3

終了5分前のタイマーが鳴った。私はミクに「元気でね。短い間だったけど有り難う。」するとミクはハッキリと私の目を見ながら「ありがとうございました。」と一礼して部屋を出て行った。

私は三脚などを片付けながら(これでよかったんだ。これで。)自分に言い聞かせるように呟いていた。
スタジオを出て、私は駅へ続く目黒川沿いの遊歩道を歩いた。数ヵ月前まで満開だった桜の木が、初夏の陽射しを遮り心地よい風が吹いている。あと数時間には、カメラマンの誰かがミクとのセックス動画撮影の権利を得ることだろう。結局わたしは、一度だけ、その抽選に参加しただけで、今や夢を諦めることになってしまった。

(なんだかひどく疲れたなあ。)三脚やカメラの入ったバックが何倍もの重さに感じる。  駅まであともう少しの所まで来た時、私は頭の中心から後頭部にかけて激しい激痛を感じた。思わずその場にうずくまろうとしたが、足にも痺れがあり、川側の木の冊にもたれかかるように倒れこんでしまった。その拍子に肩にかけていたバックがはずれ、木の冊の隙間から目黒川に落下した。

バックの中には、さっき撮ったミクの貴重な最後の撮影記録が入っている。しかし、そのバックの安否を確認する余裕は全くなかった。

どれほどの時が経ったのだろう。 私は、白い布地を顔にかけられ、回りを囲むように数人の人達が嗚咽をあげている光景を目にしていた。 その数人の中に、私の弟と老いた母、そして友人がいる。 私は目の前の光景が私自身の死を意味していることを悟ったのだった。

後で知ったのだが、くも膜下出血で倒れている所を発見
された私は、救急車で病院に搬送されたが、すでに手の施しようがなかったらしい。過去の怠惰な食生活、酒、たばこで、血管が弱くなっていた所にダブルワークの疲労が重なり、更に転勤辞令のストレスと前日の不眠で破れたのだった。

スタジオXJの動画撮影スタジオでは、ようやくアクメ後の軽失神から回復したミクが、身支度を整え終わった所だった。 スタッフがノックし「ミクちゃんお疲れ様でした。お迎えの方が控え室で待ってますから、フロントでギャラもらったら控え室に行ってくださいね。」
「はい。」ミクは小さく返事すると、スタジオを出た。

控え室では、迎えに来た和夫が「お疲れ様。ミクちゃん、ちゃんと歩ける?」優しく尋ねた。「うん。」ミクが小さく頷く。 「さあ、帰りましょう。今日はアボカドサラダとクリームシチュー用意してあるわ。お腹すいたでしょ?」 和夫とミクはスタジオXJを出てメルセデスで帰路についた。私はそれを見届けて、今日の見守りを終えることにした。

そう。 私は死後、約1年間の霊としての修行を終えて念願どおりミクの守護霊の一人(一体と言うべきか!)になったのである。


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