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痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―
【痴漢/痴女 官能小説】

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第1話 キャリアウーマンの淫性、暴かれる-2

 それが媚薬の影響だという事を彼女は知る由もないのだが、書籍等からただ寄って来て陽子に吸引された媚薬が、彼女の身体を、これまでに経験が無い程に敏感にさせていたのだ。
 男性経験も豊富で、何度も性の快感を貪って来た陽子は、いま彼女を責め苛む快感が、尋常ならざるものである事を痛感していた。普通では決して得る事のできない、極上の快感を味わっているのだと、陽子は認識していた。
 書店という公共の場で、見ず知らずの中年の男に、その身を弄ばれ、穢され、犯される事は、羞恥と屈辱と背徳にまみれたものだと陽子も認識しているが、この極上の快感を逃す事は口惜しすぎる、そんな感情も彼女の中に生じていた。
 長いキャリアで身に着けた、男を制する業が通じず、これまでに経験の無いような珠玉の快感を逃すのを惜しいとも認識してしまっている。
 それらの事が、陽子に敗北を受け入れさせた。
 尻を触り始めて、3分程立ったころだろうか。それまではずっと、落ち着いた声色で、聞き取りやすい滑舌で、丁寧な言葉づかいで、涌井に自重を促す発言を続けていたのだが、突如陽子は沈黙し、上体をぱたんと前に倒して前傾姿勢を取った。
 尻を大きく後ろに、つまり涌井の方に突き出し、手は書棚に当てて体重を支え、「どうぞ、存分に触って下さい」と言わんばかりの姿勢に転じたのだった。
 明白すぎる敗北宣言だった。キャリアを重ね、己を良く知る女だからこそ、はっきりと観念し、きっぱりと敗北を宣し、それを明瞭なアクションで涌井に伝えたのだ。痴漢を開始して3分での、完全陥落が成し遂げられたのだった。
 眉間に、なまめかしいばかりの皺を刻み込んだ陽子は、ゆっくりと涌井を振り返り、やはり落ち着きのある声色で、それだけに切なさの滲む懇願を告げて来た。
「あの、せめて、場所だけでも変えてもらえませんか?」
 それを無視して、涌井が尻を触り続けると、陽子は、その事もきっぱりと諦めた事が分かる反応を見せた。
 再び顔を前に向け、右足を横にズズッと滑らせて肩幅程度に股を開き、更に深い前傾姿勢を取って見せたのだ。言葉には出さなくとも、涌井には陽子の意志が感じ取られた。
「どうぞ、今、ここで、お気に召すままに、ご存分に、犯して下さい。」
 陽子が眼前に見せている姿は、その事を無言の内に物語っていた。
 頭は尻よりやや低い位置にまで下げられ、背筋は艶《なま》めかしいカーブを描き、豊かな肉付きの尻はホワイトジーンズの布地の、張力の限界を試すかのように、内側から圧力を加えていた。
 見ず知らずの中年男の目の前で、これほどまでに淫らなポーズを取るのだから、それは完全陥落と言って良かった。周囲には他の客達も居て、彼等の声も聞こえるし、こちらの声も聞かれるかも知れない。そんな状況でも、見知らぬ中年男にそのカラダを存分に弄ばれ、快感を与えられることを熱望してしまっていたのだ。
 尻の割れ目をなぞっている、ホワイトジーンズの縫い目の固くなっている部分を、涌井は右手の人差し指で軽く触れた。陽子は、ヴァギナからクリトリスにかけての一帯に、一斉に、強烈な刺激を覚え、快感に悶えた。
 そこを更に、涌井は指でツンツンと繰り返し突《つつ》いた。
「あっ、ああっ、あっ、あっ・・」
 押し殺した小さな叫びが、陽子の喉の奥から洩れる。尻が上下に揺れる。ホワイトジーンズを突き破らんばかりの猛烈な圧力で、尻はより後方に突き出された。
 卑猥にゆれる豊満な尻を、涌井はまた、大きく撫で回した。撫で回したついでのように、縫い目の部分を指先で突《つつ》いた。その度に、尻が激しく揺れた。
 尚も大きく撫で回し、ついでのように、縫い目を突いた。
「ああっ、ああっ、あはぁあっ、ああっ・・」
 撫でた、突いた、「ああっ、ああっ・・」
 撫でた、突いた、「あはぁあっ、ああっ・・」
 およそ20回に渡って、そんな戯れを続けた。
「もう、イキそうか?」
 陽子への、涌井の初めての発言だ。
「はい、もうイキそうです。」
 生真面目なまでの陽子の返答を受け、涌井は右手の中指全体を割れ目に当てがい、小刻みで素早いバイブレーションを発生させた。横の動き、縦の動き、指を曲げ伸ばししての、前後の動きと、複数の動きを複雑に折り重ねた。極めて技巧的な責めを、涌井は陽子に食らわせた。
「うっっ、くぅっっ、イクぅっっ、うぁっっ、イクぅっっ、くぅぅっっ・・」
 バイブレーション発生から10秒で、陽子は絶頂へと追い詰められて行った。書店の客達の、話し声が、足音が、服や鞄が擦れる音が、四方八方から聞こえて来る只中で、陽子は絶頂に至りつつあった。
 子供のはしゃぐ声、女子中高生の黄色い悲鳴、主婦たちの談笑、そんなものまでが愛撫となって全身を舐め回して来る中で、陽子は絶頂したのだった。
「イックぅぅぅぅぅぅぅっっっ!」
 必死で押し殺した声だったが、他の客に聞こえかねない位の音量が出てしまっていた。そんな陽子を、涌井は引き続き責め立てる。中指を割れ目にあてがった右手は、今度は一転、縦の動きに特化して、割れ目を更に深く切り裂こうとでもするかのようだった。
 こんな責めを受け続ければ、他の客にバレてしまいそうだったが、陽子は一切の抵抗も拒絶も見せない。もう、何もかもを諦め、何もかもを受け入れる程に、彼女は観念していたのだ。


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