投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―
【痴漢/痴女 官能小説】

痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―の最初へ 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員― 1 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員― 3 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―の最後へ

第1話 キャリアウーマンの淫性、暴かれる-1

 書店に何十台も仕掛けられているカメラの一つが、陽子のホワイトジーンズに浮かび上がった愛液の染みを、画面いっぱいに映し出していた。床に埋め込まれ、下から見上げる形の隠しカメラも、幾つか書店内にはあったのだ。昨日撮影したその映像は、当然、今でも涌井の手元に残っている。
 “隠し”カメラだけでは無く、防犯用に見せかけた剥き出しのカメラも書店にはあって、そのカメラは、陽子の上半身を捕えていた。
 豊かな長い黒髪がS字を描く背中を流れ落ちる様を、防犯用を装ったそのカメラが克明に映し出していたのだ。ゆったりと落ち着いた所作の中に、妖艶な香りが揺蕩《たゆた》っている。
 遠隔操作でアングルやズームをコントロールできる事といい、その映像の鮮明さといい、明らかに防犯カメラといえる代物では無いのだが、その映像を見る事が出来るのは涌井とその仲間達だけなのだから、客達にそれが気付かれる事は無い。
 書棚にも隠しカメラは設置されていた。販促用のポップの裏側に、それは設置されていて、黒い太文字でカモフラージュされながら、店内にレンズを向けているのだ。
 そのカメラは、陽子を正面から至近距離で映していて、ゆったりとしたT−シャツで一見すると目立たないが、実はその乳房がたわわに膨らんでいる事実を暴き立てていた。手にした雑誌のページをめくる時に、腕の動きによってクイッと中央に寄せられた乳房がT−シャツの布地を谷間に噛み込む。その瞬間には、その谷間が、尋常では無い程に深い奥行きを誇っているのが、垣間見えたのだ。
 そして、陽子がページをめくったその雑誌は、涌井達が罠として女性向け雑誌のコーナーに紛れ込ませておいたエロ雑誌であり、媚薬によって発情させられた陽子は、その雑誌に掲載されたフェラチオシーンなどを目の当たりにして、ホワイトジーンズの染みを更に拡大させていた。欲情の高鳴りを、これ以上に無い程に、露呈してしまっていた。
 別角度の防犯を装ったカメラは、陽子の表情をズームアップで捕えていて、緩んだ口元や下がった目尻などに、陽子の欲情を検出していた。
 レジカウンターの裏にあるモニターで、涌井はそれらの様を確認し、ニヤリとほくそ笑んだ。三十路過ぎのよく熟れた、すらりと長身でスレンダー且つ巨乳という絶品の獲物が、彼の仕掛けた罠に嵌ってすっかり発情し切っているのだ。もう、ヤらないという選択肢は無かった。
 涌井は他の客の様子を横目に見つつ、陽子の背後に接近して行き、誰にも見られていないタイミングを見計らって、その尻に掌を押し付けて行った。
 ピクリ
 極僅かな反応だった。並の人間には、気付き得ない程度の小さな動きだった。が、陽子はその瞬間、確かにのけ反った。涌井はそれを看破していた。
 書店という公共の場である事から、精一杯抑制された動きしか表出はしなかったが、尻を触られた瞬間に、陽子の背筋を電流に似た快感が駆け上がった事を、涌井は確信した。
 手をスリスリと動かしてやると、そんな小さな反応が繰り返される。全身の筋肉が一瞬硬直してすぐに元に戻る。その事が巻き起こす小さなのけ反りの仕草を、陽子は繰り返した
 身体がこれだけの反応を見せて、内心の穏やかであろうはずは無かった。だが、陽子の口から発せられたのは、実に抑制の効いた、落ち着いた声色の言葉だった。
「困ります。場所柄を、わきまえて下さい。」
 声の大きさは、周囲の客達には聞こえないが、涌井にはハッキリと聞き取れる程度に調節されていた。滑舌も明瞭で、耳障りの言い、聞き取りやすい声だった。
 接客系の仕事を長く続け、経験を積んだ女なのだということが、涌井には瞬時に察せられた。客に尻や胸を触られた経験などもあるのだろう。それを、落ち着いた対応でやんわりと往《い》なし、触って来た相手にも、他の客にも、不快感や不安感を持たせないように処理する術《すべ》というものが、身に着いているのだろう。
 犯し甲斐のある女だ、と涌井は心中で呟いた。
 極度の発情状態の中で突如尻を触られ、快感が背筋を駆け登っていたのに、痴漢行為に対して、穏やかで且つ毅然とした対応が取れるという事に、涌井は陽子から(この時点では名前は判明していなかったが)、包容力や知性というものを感じ取り、そう思ったのだ。
 涌井は、黙したまま尻を触り続けた。大きく円を描くように、尻全体の詳細な立体形状を吟味するように、涌井は陽子の尻を愉しんだ。
「あの、本当に、もう、やめて下さい。誰かに見つかったら、あなたも大変な事に・・」
 相変わらず落ち着いた声色で、はきはきと聞き取りやすい滑舌で、諭《さと》すように涌井に言葉をかける陽子だったが、涌井の手が尻の表面を滑る度に、小さくビクリ、ピクリとのけ反り、表情も弛緩していた。
 明らかに、快感を覚えていた。それでも、声色と滑舌は上品な落ち着きを失わない。キャリアウーマンの色気というものが、ゾクゾクする程感じ取られる陽子のリアクションだ。
 恐らく陽子のキャリアの中では、このような声色と滑舌で拒絶すれば、確実に相手の行動を制する事が出来たのだろう。客に胸や尻を触られるという狼藉を起こされ、それらを巧みに処理して来た経験が、彼女に絶対的な自信を与えていたのだろう。だから陽子は、快感の只中にあっても、落ち着いた声色と滑舌を失うことなく、涌井に語りかける事が出来たのだ。
 だが、陽子の長いキャリアの中で、数々の男達を掣肘《せいちゅう》して来たその技は、涌井には通じなかった。全く勢いを減じる事無く、涌井の手は陽子の尻を責め続けた。
 敗北を受け入れるのも、あっさりとしたものだった。長いキャリアで身に着けた業に自信を持っていた分、その業が破れた時には、もうどうする事も出来ないのだと、あっさりと観念したようだ。この男を止める事は出来ない、と陽子は悟ったのだ。
 尻から全身に駆け登る快感も、陽子には経験のない凄まじいものになっていた。


痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―の最初へ 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員― 1 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員― 3 痴漢の巣窟書店 −特急列車添乗員―の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前