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冬恋慕
【SM 官能小説】

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冬恋慕-5

ツトムくんの肌を打つ鈍い音が部屋に響くと彼の裸体が揺れながら弓のようにそって撥ねあが
ったわ。彼の綺麗な咽喉元がのけ反り、悶えるような悲鳴はとても美しかった。あたしが振り
上げた一本鞭がしなり、うねりながら彼の嫉妬をするような瑞々しい裸体に刻まれる薄赤い
条痕に、あたしは久しぶりに興奮したわ、鞭の先端が彼のしなやかな背中からお尻に、そして
真っ白な太腿に絡みつくように打ち続けたわ。痛みを噛みしめる彼の嗚咽だけが、その痛みに
酔いしれるように悶えあたしの鞭だけを求めていたの。あたしは彼の恋人にはなれないかもし
れないけど、あたしにぶたれることに彼はどんな《あたしの意味》を見出そうとしたのかしら
…なんてふと思ったわ、彼は苦痛という無為で、それでいて深い安らぎをあたしが与える痛み
に感じとったのかもしれない、だから言ったわ、それはあなたがいつも見ている澄みきった
宇宙のとても純粋な憧憬と同じだって。そしたら彼ったら、あなたををほんとうに好きになり
そうです…ですって。なんだかとてもうれしかったわ。


あたしはこれまで何人かの男とつき合ったことがあるし、セックスもしたわ、でも本気になっ
たと思える男はコウジだけ。なのに三年ほどつき合って、ふと感じたことがあったわ。裸の
コウジの下半身でそそり立っているものがとても滑稽に思えたのよ。これが彼の欲望のすべて
なんだって。彼の欲望はあたしの脚を開いて、ねじこんでくるだけのもの、ただそれだけのも
のに見えてきたの。あたしは彼の欲望にどんな風に応えているのだろう、どんな風に尽くして
いるのだろうって思えてきた。彼を受け入れたときの吸った気持ちのいい空気に慣れ過ぎたこ
とがあたしの欲情をどんどん違うものに変えてしまっている気がしたわ。

女王様をやっていたあの頃、あたしはいつも相手の男性の欲望に尽くしていたから、自分は
尽くす女かもしれないなんて、変に古風なことを考えてしまうようになっていたのね。
コウジのものを含んだとたん、あたしの中で何かが自然に萎縮してしまう。そうなのよ、あた
しが彼を狂いたいほど欲望したいと思えば思うほど、あそこの奥が彼のものに対して閉じてし
まう。ぴゅっと彼があたしの中で射精したあとの殺風景な寂寥感だけがひたひたと心の中に
残るようになっていったわ。おそらく彼の欲望は《欲望》ではなく、ただの性欲にすぎない、
性欲だけの関係って普通の男と女に戻ったってことなのよ。だからあたしはコウジじゃない別
の男に抱かれたわ……あたしは、そういうことができる女なんだってことを自分が知るために、
そしてコウジがあたしにとってどんな存在なのかを確かめるために……。



先生はペニスバンドを身に纏ったあたしをとても気に入っているの。あたしの命令に従って、
涎を垂らしながらディルドの先端をしゃぶり続けたあと、カズミ女王様、どうか、心いくまで
わたしを犯してください、なんてリノリウムの赤い床の上で四つん這いになった彼は、鞭打ち
の条痕で赤くなったお尻を震わせながら、命じられたとおりにゆっくりと臀部だけを持ち上げ
たわ。ペニスバンドを纏ったあたしが、彼の引き締まった尻肌を黒いディルドの先端でゆっく
り撫でまわすと、彼の双臀の翳りの中で、尻芽が淫靡にひくひく震えて可愛らしいくらい息づ
き始めているのがわかるのよ。あたしは彼の腰に手をあてると、両手で抱え込むようにして、
少しずつ腰を押しつけていき、彼の臀部の割れ目をつつくように、ディルドの先端がしだいに
尻の翳りに埋もれていく…ディルドの硬い先端はぬるりと湿った狭隘なすぼまりを探るように
くすぐってあげる。すぐには挿入しないわ。焦らせば焦らすほど彼の欲情は増してくるから。


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