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1.女体妖しく夢現(ゆめうつつ)
【その他 官能小説】

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女体妖しく夢現(ゆめうつつ)-5

(5)

 べっとりと粘着質の関係が続いた。
私が高校二年になった頃のマナミと私の繋がりは奇妙なものだった。反抗期の母親と息子のようでもあり、気の強い姉と生意気な弟、そして情婦とヒモ。……それらが一体となっていたのだからどうしようもない。一つ一つを取れば珍しくないことだが、私は高校生である。正常な状態ではなかった。

 マナミの肉体に魅せられながらも憎しみが芽生えたのはこの頃だ。
(俺の体で楽しんでる……)
体を合わせる度に思うようになった。
 マナミにも変化があるのを私は感じ取っていた。その頃になると私もかなりマナミとせめぎ合う経験を積んでいた。ぶつかり合いの末、交合する時の体位の半分は正常位か後背位になっていた。マナミとしては望まない形であったが、腕力はすでに私のほうが勝っていた。嫌がっても押し込めば女の弱さで抵抗も消えていく。
(俺がマナミを犯している)
そんな高揚感、満足感があった。逆に言えば、マナミは屈服したことになる。
「ああ、だめ、いっちゃう!」
官能の大波にもまれて私の突き立てる下で果てるマナミ。我に返った彼女の表情は決して満たされてはいなかった気がする。

「あたし、15歳の時、犯されたの……」
相手は近所の洋品店の主人だった。そこは学校の制服や体操着、上履きなどを扱っていて、学校指定の店である。田舎町のこと、他に店はなく、マナミも時々訪れていた。
 ある時、手袋を買いに立ち寄った。
「マナミちゃん?」
選んでいると声をかけられた。
「はい……」
その店主とは特に話をしたことはない。何度か買い物をしただけである。だから名前を呼ばれて、なんで知ってるのだろうと思ったが、深くは考えなかった。
(友達と来た時に名前を呼び合ったのかもしれない)

「それ、あげるよ」
手にしていた手袋は母親に貰った金額を超えていた。
「いえ、いいです」
確かに気に入った赤い手袋だった。きっと手に取って物欲しそうに眺めていたのだろう。
「いいから。持っていって。いま他にお客さんいないから」
手を握られて強引に手渡された。
「男のにおいがした」
何とも言えない籠ったようなおやじのにおい。口臭。脂ぎった顔。
手袋を持って店を出たのは早く男から逃げたかったからだ。

 翌日の帰り道、店の前を避けて裏通りを使った。
男が何を目的としているのか、その時はわからなかった。
 数日後男に声をかけられたのは下校時である。
「マナミちゃん」
公園の木陰から現れたのだった。
「帰り道、変えたんだね」
顔は笑っていたが目つきに鋭い光を感じてとっさに体が動かなかった。
「マナミちゃん。万引きしたよね」
近づいてきた男の笑顔が消えた。
「手袋、盗んだよね」
「ちがいます。だってあれは」
「黙って持っていったら犯罪だよ」
「まだ使ってません。返します」
「返せば済むはなしじゃない。学校に先言おうか、警察がいいか」
驚いて言葉が出なかった。
「言われるまま男の家に付いて行った……」


 学校中に知られる……受験のこと、親の顔が浮かび、何も考えることができなかった。
「黙っていてあげる」
男は何度もそう言った。
「その言葉はあたしを無抵抗にした……」
されるまま全裸にされ、まだオナニーさえ知らなかった無垢な体は見下ろす男の前に晒された。
「これは、きれいだ……」
膨らみ途上の乳房を男の唇が含み、
「おお、やわらかい」
そして全身を舐められた。
 ほどなく押し込まれて鈍い痛みに初めて声を上げたがタバコ臭い口にふさがれた。

 男の行為は中学を卒業するまで続いた。父親の転勤があって引っ越しすることになったのである。それがなかったらいつまで続いたか。……
 トラウマになっている。……
「だから、あたし、オヤジがきらいなの。じじいは気持ち悪いの」
悲惨な体験だが、当時の私としては未成年の私を弄んだ理由と受け止めることはできなかった。

「毛が濃くなったね。剃ってあげようか?」
きれいなままでいてほしい。何度も言われた。
(うんざりだ……)
いつしかマナミの体を美しいと思わなくなった。それでも性欲は漲ってくる。
(性のはけ口)
そういう存在になっていた。
 ある晩、私は『報復』をした。コンドームを着けずに中に射精したのである。
「今日、危ないから着けて」
手渡されたゴムを着けるふりをしてのしかかり、ドクドクと放出した。
「あ……」
マナミはすぐに察したようで、
「何するの」
押しのけようともがいたが、がっしり抱え込んで股間を押し付けた私を跳ねのけることはできない。
「あんた、どういうつもり。あぶない日だって言ったじゃない」
マナミはすぐに風呂場走っていった。

 その日からマナミは私とセックスをしなくなった。いくら頼んでも睨みつけられるだけだった。
 マナミがいなくなったのはそれから数か月ほど経った頃である。
「マナミちゃん、妊娠してたんじゃないかしら」
「たぶんそうだと思う」
隣室でホステスが話しているのを聞いた。

 奇妙な心境に陥っていた。徒労感、喪失感、そしてわずかだが、ほっとした心地にもなっていた。  

 

  



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