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京子
【青春 恋愛小説】

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京子-14

 「2人とも子供なんだから」
 「男の子ってそんなもんですよ」
 「あら、うちの学校の男の子なんて色気づいていて可愛くないのばかり」
 「薫の所は進学校だからだよ」
 「そうかな」
 「村井さんですか。俺加藤。加藤清正の加藤」
 「加藤茶の加藤でしょ」
 「これは木村京子、京唄子の京と子」
 「馬鹿。薫は私の友達なんだよ」
 「そうか。陽介の友達の筈は無いと思った」
 「あら、もう陽介君とはお友達なのよ、ね?」
 「うん。親友」
 「親友だぁー? いつから?」
 「昔から」
 「何で俺に黙ってたんだ」
 「何を?」
 「こんな美人の親友がいるなんて言ったこと無いじゃないか」
 「お前美人は好きじゃないって言ってたから」
 「そんなこと言ったか?」
 「うん。木村が厭だって言った時」
 「どんな時?」
 「一緒に写真撮ってくれって言った時」
 「あ、あの時か。俺そんなこと言ったかな」
 「言ったよ」
 「何で私と一緒に写真撮りたかったの?」
 「兄貴がお前ガールフレンドいないのかって馬鹿にするから」
 「それで証拠写真を見せようと思ったのか」
 「うん。木村なら文句無いだろうと思って」
 「それどういう意味」
 「だから兄貴も木村なら文句の付けようが無いだろうと思って」
 「ああそうか。ならそう言えば一緒に写真に撮られて上げたのに」
 「もういいんだ」
 「どうして?」
 「もっと美人の友達が出来た」
 「誰?」
 「村井さん」
 「まだ会ったばかりじゃない」
 「でももう友達」
 「2人とも女は顔じゃないの。美人だ美人だって騒いでるとブスと結婚することになるんだよ」
 「そんな、姉さんみたいな美人が女は顔じゃ無いって言っても駄目ですよ」
 「女は心なの」
 「それじゃ男は?」
 「男は度量だね」
 「度量って?」
 「心が広いってこと」
 「それじゃ俺心が広い」
 「どうして?」
 「大抵のことは気にしない」
 「そういう単純なことじゃないの」
 「でもそれも度量の一種かも知れませんよ。陽介君みたいに大ざっぱな性格はチマチマした男よりずっといいですから」
 「俺って大ざっぱなのか?」
 「まあそうだな。大ざっぱと言うより血の巡りが悪いって言うか」
 「それじゃ馬鹿みたいじゃないか」
 「早い話そう」
 「馬鹿にするな」
 「まあまあ、今日は陽介君の誕生パーティーなんだから、そんなこと言ったら駄目よ」
 「そうだ。お前何か持ってきたか?」
 「何かって?」
 「プレゼント」
 「無い」
 「無い?」
 「だって誕生パーティーなんて言わなかったじゃないか。ただ来いよって言うから来ただけだ」
 「そうか」
 「陽介。誕生パーティは来てくれるのが1番のプレゼントなのよ。私の時だって陽介何も持って来なかったじゃない」
 「そうか。忘れてた」
 「忘れてたってお前いつまで忘れてんの」
 「それじゃ今度プレゼントしてやる」
 「来年?」
 「違う。今度金貰ったら」
 「いいよ。気持ちだけで」
 「そうはいかないよ。あんな物貰ったんだからな」
 「それじゃ陽介君私からもプレゼント」
 「えっ。村井さんまでプレゼントくれるのか」
 「うん。気に入って貰えるかな」
 「ウヘー、これサイクリング・パンツじゃないか」
 「サイクリングが好きだって聞いたから」
 「ウヒャー」
 「サイクリング・パンツって唯のタイツじゃん」


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