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【SM 官能小説】

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宴 〜忌憶〜-1

「デートしようか」
突然の申し出に、智佳は驚いて目を見張った。
「……正気?」
「何だその失礼な物言いは」
憮然とした表情で、胤真は言う。
「あ……信じ、られなくて……」
言って智佳は、バターとスグリのジャムをたっぷり塗り付けたトーストにかじり付いた。
―草薙本家で迎える、穏やかな休日の朝。
二人にとって、それはもはや日常となっていた。
「そんなに変な事を申し出たつもりはないが」
茹でたじゃが芋入りのスパニッシュオムレツを咀嚼して嚥下し、胤真はそう言う。
「ま、デートと言うよりも野外調教か」
胤真の目が妖しく光った。
「あ……」
その目を見ただけで、智佳は下半身に甘い痺れが走る。
「行くだろ?」
こくん、と智佳はうなずいていた。


いつもは大人しめな智佳のファッションは、胤真の要請でかなり露出度が高くなっていた。
当然、下着類を身に着ける事は許されていない。
ニプレスや絆創膏を着ける事すら許されないので尖り切った乳首が服の上からでも分かり、太股の半ばまでもを覆うかどうかすら疑わしい丈のスカートのせいで、歩く度に秘所が空気に触れる。
全体的に見て、落ち着かない事甚だしい。
その上……敏感な部分は全てバイブで塞がれているのだ。
二本差しにされたバイブ(共にリモコン付き)と、淫核にテープで固定されたピンクローター。
これで外を歩き回れと言うのだから……胤真の前でどれほど乱れてしまうか想像すらできず、智佳は被虐の悦びに身を震わせる。
「ん、んあ……ふ、はあ……!」
「早いぞ、智佳」
住宅街から市街地へと移動する電車の中で、席に座った智佳は切なそうに膝を擦り合わせていた。
「バイブをもうちょっと強く動かしてるならともかく……」
智佳の隣に座る胤真の掌に収まっているバイブのリモコンは、『MIN』と書かれた場所にスイッチがある。
「こんな弱いのに、イキそうなあ……」
そう言いながら胤真は、バイブのスイッチを『MAX』まで一気に押し上げた。
「ひいっ……!!」
智佳の全身に、絶頂の痙攣が走る。
「おやおや……他人がいるのに、軽〜くイッちゃったなあ?」
胤真の指が、バイブのスイッチを上下させた。
「ひあっ、あああっ、ああ、駄目ぇ……」
強くなったり弱くなったりと変幻する振動に、智佳は酔わされる。
「ほらほら、足を閉じないと向かいのお兄さんにおま〇こ覗かれるぞ?」
くすくす笑いながら、胤真はバイブのスイッチをいじる。
「やっ……やああっ……智佳のおま〇こはっ……胤真、様だけなのぉっ……」
智佳は胤真の腕にしがみつき、緩んでいた足を閉じた。
電車はそこそこ空いているが……露出度が高い智佳の格好に惹かれたらしく、二人の前の席は人口密度が妙に高い。
前の席の数名が、見えそうで見えなかった智佳のスカートの中身が隠された事で、露骨に落胆した表情を見せる。
そんな欲望に満ちた視線も、今の智佳には快楽の……ひいては胤真を喜ばせるためのスパイスでしかない。
「さて……今日は、何しようか?」
胤真は前の座席にいる男達へ見せ付けるように、いやらしく智佳の太股を撫で回した。
「智佳はどれがいい?」
突如として、目の前に手帳が差し出される。

一.映画を見ながらおま〇こをぐしゃぐしゃになるまでいじられる。
二.バイブMAXで動かしながら腹ごしらえ。
三.カップル喫茶でち〇ぽを味わう。

「あ、あ、あああ……!」
書き付けを見ただけで、智佳は身をよじった。
「もちろん、他のでもOKだけど」
どれを選んでも、胤真は智佳の気が変になるほど可愛がるつもりだ。
いや実際のところ、早くも一回絶頂を迎えてうっとりしているのだが。
「え……映画が、いい……」


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