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【SM 官能小説】

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宴 〜忌憶〜-2

2 智佳の要望に応え、胤真は映画館を選んだ。
かなり濃厚なラブシーンがある事で有名なフランス映画が、ちょうど放映されている。
チケット売り場の係員に空席を尋ねると、幸運な事に二人掛けのロマンスシートが空いていると言う。
当然、胤真はその席を取った。
館内が暗くなり、映画が始まるのもそこそこに、胤真は智佳の股間へ手を伸ばす。

ぬちゃっ、じゅぶうっ、ずぬちゅう、にちゃにちゃ……

粘度の高い蜜が、胤真の指へ絡み付いてきた。
「ひは、ああ……!!」
固定されたピンクローターを、指先がぐりぐりと動かす。
「このままだと、テープがふやけるな」
胤真は冷静に判断した。
それくらい、智佳は淫蜜を滴らせているという事だ。
実際さっきもトイレへ行き、すぐに膝の方まで垂れ落ちてくる愛液を拭っている。
電車を降りてから映画館に入るまでの、僅かな時間にだ。
「何せ、毛の方までぐちゃぐちゃだもんな?」
胤真は耳元にそう囁き、揶揄されて羞恥に身をよじる智佳の表情を楽しむ。
本当に、可愛い。
胤真は目を細め、指先で智佳を切なく鳴かせた。
客の入りは少なく、二人掛けのロマンスシートに座るカップルは自分達以外誰もいない。
だから智佳も映画のセリフや音楽に紛れ、胤真の指使いへ存分に応えた。
―映画も半分ほどが過ぎ、主役の男女の濃厚なベッドシーンへと移行する。
『おおピエール!は、恥ずかしいわ!』
『恥ずかしいのがいいんだよ、ジャンヌ』
流麗なフランス語はさっぱり分からないが、字幕を見てシーンを追い掛ける……事など、智佳にできるはずがなかった。

ぐぽぐぽぐぽっ!じゅぶぶぶぶうっ!

「っ!っ!っ!――っ!!」
折り畳んだハンカチを噛み締め、智佳は声を押し殺した。
胤真の手が、二つのバイブを前後に激しく動かしている。
振動は……『MAX』。
「ほら、イッちゃえよ」
かしかしと耳たぶを甘噛みし、首筋へキスの雨を降らせながら、合間に胤真は囁く。
智佳は首を横に振った。
「イキたくないか?」
こくこくと、首を縦に振る。
にいっと目を細めた胤真は、智佳の首筋を下から上へ舐め上げた。
同時に、限界まで引き抜いたバイブを二つとも勢い良く突き入れる!
「―――――ッ!!!」

ぶしゃっ!!!

絶頂に達した智佳は、股間からそれをほとばしらせた。
ずるっ、と智佳はシートにへたり込む。
「潮を吹くくらい気持ち良かったのか……」
初めての潮吹きに、胤真はえもいわれぬ感動を覚えた。
ハンカチを噛んだまま、智佳は夢見心地をさまよっている。
胤真がバイブを停め、ティッシュで濡れた股間と濡らしたシートの後始末をし終わる頃に、智佳は夢見心地から覚めた。
「あ……?」
「おはよう」
智佳は赤面し、胤真の様子を伺う。
「あ、あの……?」
「潮吹いて失神してたぞ」
にやにやと笑いながらそう言われ、智佳の赤面は最高潮に達した。
「や、やだ……!」
「俺は嬉しいぞ?何たって、初めての潮吹きだ」
「い、言わないでよっ……!」
そんな言葉で、胤真が止まるはずもなく。
「そう言うな。潮吹けるくらいに気持ち良かったんだろ?」
胤真の指が、再び秘所へ潜り込んだ。
「また潮、吹きたくないか?」
にちゅにちゅといやらしい音の出る秘裂を、指が上下する。
「だから潮吹き潮吹き言わないでってばあっ」
その指に感じてびくびくと体を震わせる智佳へ、胤真は口付けた。
ちょうど映画の方も、メイクラブの真っ最中である。
「んっ、む……んふ」
濃厚に舌を絡め合い、胤真は名残惜し気に唇を離した。
「やっ……!」
智佳は、胤真の唇を追い掛ける。
「おい、ばれる……」
「ばれても、い……」
智佳は自ら積極的に舌を伸ばして、胤真の口中を舐めずり回した。
「か、ずま……」
切ない囁きが、胤真の脳髄を痺れさせる。
胤真は肩を抱き寄せ、智佳の期待に応える濃密なキスをした。
「ふ……はぷ……ん、ああ……」
互いの口中を舐め回し、唾液を啜り合う。
智佳の掌が、快楽の度合いを伝えるように胤真の体へ這った。
シャツ越しのもどかしい刺激に、胤真は愛撫で応える。
「……ホテル、行こう」
胤真の囁きに、智佳は何度もうなずいていた……。


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