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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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最終章 Tric or love-5

麻里奈は信じていた。貴之が自分に決して体だけを求める男ではない事を。クリスマス、バレンタイン…その時の麻里奈の気持ち本物であった。決して女を知らない可哀想な少年に恋愛ごっこを恵んであげた訳ではない。麻里奈自身、好きな人と一緒に過ごす時間に幸せを感じていた。その気持ちは口にせずとも貴之には何かしら感じて貰っていたはず…、そう信じていた。貴之の似衣奈を思う気持ちに負けないよう頑張って来た。その集大成がこの日だと決めている。エッチな年上の女が好きで自分の事を好きになってくれたのだから、今更純情見せても貴之は戸惑ってしまうだけ、思い切りエッチな女でアピールしてやろう、そう思って麻里奈は頑張っている。しかし貴之の視線が似衣奈に向いているのを見ると心が挫けそうになる。

(ここで挫けたら何も変わらない…、それにこの一年貴之君を愛して来た事が全て無駄になってしまう…。ダメ、頑張らなきゃ!全力!)
麻里奈は自らの気持ちを振るい立たせ後悔だけはしないようと視線を上げた。
「みんな!写真撮ってくれないと…悪戯しちゃうぞっ!?」
麻里奈は可愛らしく戯けながらカメラマンに向かって杖を差し向けた。エッチなお姉さんの可愛らしい仕草にカメラマンのハートは鼓動した。一斉にシャッターを押すカメラマン達。再び麻里奈の周りは熱気を帯びた。

(嫌われてたって、復讐されたって、はいそうですかって諦められないよ。ここですんなり引き下がったら俺、絶対後悔する。話さなきゃ…。直接話さなきゃ…。棘のある言葉を言われても、罵倒されても、自分の気持ち、はっきり言わなきゃ…。)
逃げるより当たって砕けろだ、そう決めた。しかしすぐにでも似衣奈の元へ行こうと思ったが、いざとなると中々足が動かない。貴之は周りに乗せられてカメラの前で要求にされるポーズを撮り撮影に応じていた。

このハロウィンパーティーに出会いを求めて参加している男女は多い。自分もそうであった。会場にいる多くの参加者は好きあらば気になる異性に声をかけ楽しそうに話している。去年、ここで麻里奈と似衣奈に出会い、貴之は知らず知らずの内に女性を好きになる事、女性との付き合いの経験を積んで来た。それが幸せな事ばかりでなく切なく苦しい物も含んでいることが分かった貴之は人間として、男として確実に成長した証だ。もうセックスがしたいが為に出会いを求める童貞ではない。自分の中で激しく揺れ動く恋愛に正面から向き合う勇気を得ている。このハロウィンパーティーが終わった時、貴之はきっと大人の階段への第一歩を踏み出せるだろう。そして麻里奈も似衣奈も同じであった。女は出会う男によって卑屈にも前向きにもなれるものなのだと気付いているはずだ。2人とも間違いなく今の自分が好きなはずである。ただ表情が冴えない似衣奈だけが心配であるが…。

コスプレを楽しむ者、友達同士で騒ぐ者、出会いを求めてはしゃぐ者…、恋に苦しむ者…、みんなそれぞれのハロウィンパーティーを楽しんでいた。


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