投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

Halloween 〜Trick or cosplay〜の最初へ Halloween 〜Trick or cosplay〜 74 Halloween 〜Trick or cosplay〜 76 Halloween 〜Trick or cosplay〜の最後へ

最終章 Tric or love-4

それから間も無くの事であった。カメラマンの中から、
「ニーナ来たぞ、ニーナ!」
という声が聞こえた。そして半分までは行かないが、それに近い数のカメラマンが立ち上がり同じ方向に向かって行った。

(来たんだ!)
貴之は勿論、麻里奈もカメラマンが向かった方向に視線を向けた。その先には似衣奈がいた。
しかし様子が変だ。全くコスプレをしていない。ジーンズに白のロンT、黒のレザーコートを着ていて特に衣装らしき荷物も持っていない。手ぶらで大学に通学するかのようなかっこうをしていた。麻里奈も貴之も意表を突かれたかのような表情で似衣奈を見つめていた。

すると似衣奈の方へ向かったカメラマンらの多くが再び貴之らの元へ帰って来た。
「あれが今日のコスプレなんだってさ。どうしちゃったんだろ、ニーナ。」
「あれ、普段着じゃん。どういうつもりなんだ?せっかく楽しみにして来たのによー。」
カメラマンの間からそんな声が聞こえた。

(アレがコスプレ…?アレで今日麻里奈さんと勝負するつもり…?)
似衣奈に何が起きたのか色々考えてしまう貴之。
(もしかして勝負する事を放棄したのか…?俺と付き合う気はないっていう意味なのか…?いや、初めから麻里奈さんと似衣奈さんの間でフラフラしてる俺に復讐するつもりだったのかな、初めから…。昔と同じように…)
貴之は似衣奈を疑う気持ちが生まれ、もしかしてあの時好きだと言ってくれたのは自分を今日陥れる為の罠だったのではないかと不安になってしまった。そんな目で見ている前で似衣奈はそれでも写真を撮りたがるカメラマンの要求に応じポーズをとっていたが、いつも周りには数多くのカメラマンに囲まれている似衣奈からは寂し過ぎるカメラマンの数であった。

(俺のこと好きだって言ってくれたのは嘘だったのか…?全力を尽くすと言ってくれたのは嘘だったのか…?)
貴之の表情は冴えなかった。裏切られたのかも知れないと言う不安と落胆の重い気持ちが貴之の体に重くのしかかる。

(…そう来たか…。)
そう思ったのは麻里奈であった。麻里奈だけはその真意が分かったのであった。似衣奈が普段着で来た意図を理解した麻里奈は貴之の事をチラッと見た。
(私はあなたが好き…。あなただけが好き…。私はプレイガールじゃないんだよ?私は本当はエッチでも何でもないの。でも貴之君の為ならどんな事も出来るし、エッチも頑張る。貴之君だけ…、貴之君だけが好きなの…。またクリスマスイブを一緒に過ごしたい。また初日の出を一緒に見たい…。またバレンタインに一生懸命チョコを作りたい…。またホワイトデーには貴之君がくれる美味しいクッキーが食べたい…。また一緒にジェットコースターに乗りたい…、また観覧車の中でチューしたい…また夏はまた海に行きたい…。ずっとずっと一緒にいたい…。好き…、好きよ貴之君…)
麻里奈はライバルを不安そうに見つめる貴之の横顔を見ながら声に出来ない淡くて切な過ぎる気持ちを貴之に伝えたのであった。


Halloween 〜Trick or cosplay〜の最初へ Halloween 〜Trick or cosplay〜 74 Halloween 〜Trick or cosplay〜 76 Halloween 〜Trick or cosplay〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前