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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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最終章 Tric or love-10

似衣奈の元からこちらに戻って来る頃にはもう順位の発表が始まっていた。10位から始まり3位の未央まで発表が終わった頃に、ステージ横に1人残された麻里奈の元へ歩いていく。似衣奈の元から離れた時から麻里奈は貴之だけを見つめていた。涙でぼやけて良く見えないが1年間一生懸命愛した人の事を見失う訳がない。別れを切り出される…、そう覚悟していた麻里奈には、貴之が一歩ずつ近付くにつれ悲しみが溢れて来る。

「貴之君…?」
何も言わず横に立つ貴之の顔を覗き込む麻里奈。もはや堂々とコスプレをしていた姿は無く、ただ失恋を恐れる少女のように頼りない姿を見せていた。
「俺、麻里奈さんが大好きです。誰よりも愛してます…。」
「えっ!?」
晴天の霹靂…、いや雨天の霹靂か。麻里奈は耳を疑った。貴之から出て来た言葉は麻里奈が思っていた言葉とは真逆のものであった。
「もうどこに行っても何をしても、この世界には麻里奈さんとの思い出しかありません。また同じ場所に行って麻里奈さんと一緒に喜んだり楽しんだりしたいし、行った事がないとこでまた一緒に喜びを共有したいんです。クリスマスもまた一緒にハンバーグ食べて一緒にクリスマスを楽しみたいんです。」
「え…?そ、それって…」
麻里奈がそう言った時、司会の声が会場に大きく響き渡った。

「今年のハロウィン、コスプレ大賞は…、ハロウィン・ジャックスパロウ!門倉貴之君です!」
「いっ…!?」
貴之は頭が真っ白になるぐらいに驚いた。会場からは盛大な拍手が響いていた。コスプレ大賞の事などすっかり忘れていた。会場にいる大勢の人間の目が自分に向き物凄く怖く感じて動揺を隠せなかった。
自分を選んでくれたんだ…、そう感じた麻里奈の気分は一気に雪が溶け春が来たかのように弾んで来た。
「貴之君が大賞とってどうすんのよっ!もう♪」
麻里奈は可愛らしく頬を膨らませた。
「だ、だって…すみません…」
少し前までカッコよく見えたが、今の姿は情けない。そんな貴之の腕に抱き着き身を寄せる麻里奈。
「じゃ、行こっか♪」
「は、はい…」
3位まで発表され1位が貴之と言う事は麻里奈が2位と言う事だ。コスプレ大賞と準優勝の2人は極めて完成度の高いコスプレでステージの中央でスポットライトを浴びたのであった。どんなインタビューをされたのかも覚えていない。頭が真っ白であった。だが愛する人の隣で同じ風景を見ている事だけは分かった。途中、恋人同士かと聞かれて、ハイ、と答えた事だけは覚えていた。

この時麻里奈はハロウィン魔女のコスプレを身に纏いながら貴之に、
「Tric or love♪」
と言った。

5年後のハロウィンパーティー。真っ白なウェディングドレス風の魔女のコスプレで大賞を取った麻里奈がドラキュラのコスプレをし準優勝した貴之にウィンクしながら言った言葉、それは…。


「Tric or marriage♪」


だった。麻里奈の笑顔がとても可愛かった。


【Fin】



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