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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第10章 明日への一歩-3

「今日の似衣奈さん、凄かったです!」
「でしょ!頑張ったの。でも門倉君、サービスショット、始めとらなかったよね?遠慮して。」
「え、ええ、ちょっと…。」
「だから思い切って見せてあげたのよ!」
「あ、ですよねー。じゃないかと思いました!」
暫く会わなかたが、共通話題がある事はその時間さえも忘れさせてしまうようだ。今日のコスプレイベントの話で盛り上がりながら食事を済ます。

すると似衣奈は急に神妙な顔つきをする。
「私、門倉君が好き…。」
「えっ!?」
いきなりの予想だにしていなかって告白をすぐに信じられる訳がなかった。
「好きなの…。」
何かの冗談か、揶揄われているのかと思ったが、似衣奈の表情は至って真剣であった。

ずっと憧れていた人からの告白だ。貴之はずっと似衣奈に告白されたら絶対にすぐ付き合いたいと思っていた。思っていたが、いざその瞬間が来ると貴之の胸に何か引っかかる物があった。
「本当ですか…?」
「うん。」
多くを語らない似衣奈だが、それが返って似衣奈の不器用さが垣間見れて好感を得た。貴之は少し頭の中を整理し、沈黙してから口を開いた。

「俺、ずっと似衣奈さんと付き合えるチャンスが来たら嬉しくて幸せだし、すぐにでも付き合いたいなって願ってました。実際、今物凄く嬉しいです。なのに…、なのに…、でも…何か…」
貴之は麻里奈の事が口に出せなかった。貴之は自分の中で麻里奈の存在がこれほどまで大きなっている事に初めて気がついた。貴之は俯いて苦しそうな表情を浮かべた。

「野口麻里奈さん…だよね?」
「えっ!?」
その名前が似衣奈の口から出て来た事に驚いた。似衣奈は穏やかな笑みを浮かべて貴之を見つめていた。貴之はその笑みに報われたかのように、正直な気持ちを口にする。

「初めてキスした人…、初めてエッチした人…。女の人と過ごすクリスマスを教えてくれた…。バレンタインにはチョコをくれた。遊園地にも、海にも…。この一年、彼女にどれだけの喜びを与えて貰ったかわかりません…。似衣奈さんの事は本当に好きです。でも麻里奈さんも…。似衣奈さんと会えない時は似衣奈さんの事が忘れられなかった…。でも似衣奈さんと付き合って麻里奈さんともう会えなくなると思うと…。自分でもどうしていいか分からなくて…、すみません…。」
二股のトラウマがある人に何を言ってるんだと思ったが、それが素直に気持ちであった。貴之は似衣奈を不愉快にさせてしまったかと思ったが、至って穏やかな姿を見せていた。

「分かってる。去年のハロウィンからずっと門倉君と麻里奈さんが会ってるの。きっと麻里奈さんも門倉君の事が好きなんじゃないかな。今すぐ付き合って欲しいとは私には言えない。でも私も同じステージに立ちたい…、そんなつもりで言ったの。」
「同じステージ…?」
「うん。正々堂々と恋をして、負けても勝ってもスッキリしたいって。私達、昔二股かけられて以来、お互い前へ進めてないの。前へ進む為に、私も恋がしたい、そう思った。だから麻里奈さんから奪うんじゃなくて、私も頑張るから、この想いが通じた時、チャンスがあれば付き合って欲しいの。」

自分なんかに勿体無い話だと恐縮する貴之。似衣奈は素直な気持ちを言ってしまい急に恥ずかしくなったのか、
「って事で!宜しく!」
そう言って貴之を促しファミレスを出た。
「じゃあね貴之君、今日はありがとう。」
「は、はい…」
貴之は手を振って帰って行く似衣奈の後ろ姿をじっと見つめていた。


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