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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第9章 夏の終わり-7

そんな似衣奈に、変わらず穏やかな口調で話しかける未央。
「あなた達って似た者同志よね。」
「えっ…?」
涙が溢れる寸前に似衣奈は顔を上げた。
「麻里奈はね、付き合ってた彼女がヤリマンと評判になったら、アイツは恥をかくだろうって事で私について来てナンパされまくると言って来たのよ。アイツにダメージを与えたくて自分を犠牲にして。あなただってそうでしょ?コスプレイベントで際どいコス着たりポーズを取って、ネットに溢れた画像がいやらしいと評判になる事で、あの時麻里奈が何で神崎さんと浮気したんだと問い詰めた時に答えた理由、真面目な女を俺の色に一から染めてみたかったんだ、育成ゲームをしているようなつもりで、って言葉に思い切り反抗しようと思って恥ずかしい思いを必死で我慢してそれを続けてる訳でしょ?私から言わせればどっちもどっちよ。恥をかかされたから自分を犠牲にしてその悔しさを紛らわそう、みたいな。でも最近感じてるはず、こんな事をしてても悔しさは紛らわす事は出来ないって。あの時の呪縛から解き放たれる術は、新しい恋だって。」
「…」
「そして今回、偶然にもまた同じ人を好きになってしまった。」
「…」
「あなたは過去の償いから身を引こうとしてる…」
「…」
「でもそれじゃ呪縛からは解放されないわ?」
「え…?」
これでいいのだと信じようとしていた似衣奈は、これから麻里奈が口にする言葉にハッとしたような顔をしていた。
「今回はお互いが同じ人を好きになってる事を知ってるの。嘘偽りのない全くのフェアな状態よ。これは神様がくれた、過去に決別するチャンスなの。どちらか片方が手を抜いただけでもそのチャンスは消えてしまう。どっちも自分の気持ちを精一杯ぶつけ合わないと、その魔法の効力はすぐに消えちゃうものなの。でも全力でぶつかり合えば、それこそ魔法のように過去の呪縛はパッと消えちゃうはず。麻里奈が勝とうと、神崎さんが勝とうと、全力を出したなら絶対に消えるはず。新しい一歩が踏み出せる。だから身を引くとか考えちゃダメ。好きなら全力で当たりなさい。分かった?」
似衣奈はまるで神の思し召しを耳にしたかのように胸の支えが取れた気がした。

「未央さん…、あなたはどっちの味方なんですか…?」
立ち去ろうとした未央は足を止めて振り返って言った。
「幸せを運ぶハロウィンの魔女よっ♪」
そう言って杖を振りかざすかのように人差し指を立て似衣奈に向けてウィンクしたのであった。そしてすぐにペロッと舌を出して言った。
「ま、心優しい2人をどちらも一生懸命応援する、ただのヤリマンよ♪アハハ!」
そう笑って歩いて行った。その背中向かい似衣奈はずっと頭を下げていたのであった。

「ありがとう…。」
似衣奈の表情は一足早い秋晴れのようにスッキリとした表情に変わっていた。


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