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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第10章 明日への一歩-1

『 久し振り。元気だった?』

10月に入り突然似衣奈からLINEが来た。もう相手にもされないと思っていた貴之には嬉しい事であった。忘れようと思いながらもLINE通知の着信音が鳴ると似衣奈からではないかと思い慌ててスマホを見てしまう日々が続いていたが、さすがにもうダメだと思っていた頃の似衣奈からのLINEに喜びが一気に湧き上がる。しかしその喜びも束の間、どう返事をしたらいいのか悩んでしまった。まずどう言うつもりでLINEをくれたのか考える。

「これは許してくれたって意味なのかな…、それともキッパリと決別する為にLINEして来たのかな…」
期待と不安が激しく入れ替わる気持ちに頭を悩ませる貴之。しかし返信しないとこちらが無視してると思われてしまう。とにかく当たり障りのない返事をして様子を見ようと思った。

元気です…、そう返そうと思ったが、私がいなくても元気だったんだと思われそうで指を止めた。
『ご無沙汰です。コスプレ頑張ってますか?』
そう返した。頑張っているのは分かっている。なぜなら似衣奈が出そうなコスプレイベントのHPは必ずチェックしていたからだ。しかしいやらしい目で見ていると言われた手前、堂々とその活躍をいつもチェックしてますとは言えなかった。

似衣奈の返事は早かった。テンポ良く返ってくる。
『私にはそれしか取り柄がないから。頑張ってるよ?』
貴之は色々考えすぎてテンポ良くは返せなかった。
『そんな事ないですよ。でもそれが物凄い取り柄なんですから凄いですよ。』
『ありがとう。』
その返事にどう返そうか悩んでいると、続けて似衣奈から返事が来る。
『勘違いしないでなんて言ってゴメン。私の問題を門倉君に八つ当たりしちゃった。反省してる。』
貴之はようやくあまり考えず返事出来るようになる。
『似衣奈さんは間違ってないですよ。俺が悪いんです。自分勝手な事言っちゃって。ゴメンなさい。』
『謝らないで?門倉君は悪くないから。私ね、門倉君がいつもイベントに来て私に会いに来てくれるの、嬉しかったの。来てくれてた頃は次もまた来てくれると思って頑張ろって思ってた。いつの間にか来てくれるのが当たり前のように思ってた。でもいなくなって初めて気付いたの。門倉君が見に来てくれないと寂しいって。力が出ないって。そんな大切な存在だったのに私、あんな事言って…。私、直接会って謝りたい…。』
貴之はその一言に、終わった夏が再びやってきたかのように明日がギラギラした太陽に思い切り照らされたような喜びを感じた。

『俺もまた会いたいです。今度の日曜のコスプレイベントに行ってもいいですか?』
『来てくれるの?今度のコスプレイベントに出るの知っててくれたの?』
『はい、スミマセン…。正直言って…似衣奈さんが出たイベントの様子、全部チェックしてました。ゴメンなさい。』
『えー、嬉しいよ!嬉しい!もう私のコスプレなんか興味なくなっちゃったんだろうなって思ってたから。ありがとう』
『俺の方こそまたコスプレする似衣奈さん見れて嬉しいです。俺、絶対いやらしい目で見ないので、もう大丈夫です。』
『ううん?いいの。いやらしい目で見て?いっぱいエッチなポーズするから!』
『そ、そんな…』
『とにかく何も考えないで、何も気にしないで私のコスプレを見て欲しいの。』
『は、はい、分かりました。』
『じゃあ楽しみにしてるね!私、頑張る!』

LINEを終えた貴之は今までの胸の支えが取れたようにスッキリしていた。また似衣奈に会える…、そう思うと1人で両手を上げて喜びを爆発させていた。


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