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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第8章 勘違いしないで。-7

「ちょっと言い過ぎたかな…。」
似衣奈は部屋のベッドの上で膝を抱えて座りながらそう呟いた。別にあんなに怒るつもりはなかった。しかし麻里奈といい関係にありながら、自分の事も自分の物にしようとする都合の良さに我を忘れて激怒してしまった。高校1年の頃、二股をかけられて今でもトラウマになっている。今回はたまたまよりによって昔と同じ麻里奈とだが、もし麻里奈でなくても二股をかけようとする貴之には怒ったはずだ。ただ昔のその男は本当にクズであったが、貴之には悪気はないのは感じていた。子供に向ってムキになってしまい似衣奈は自己嫌悪に陥っていた。

「でもまたあの人といざこざを起こすのはゴメンだわ…。またお互い嫌な思いをしちゃうし…。」
似衣奈はそれまで地味で真面目な少女であったが、二股をかけたあの男に復讐をする為に自分を変えイケてるギャルになった。二股がバレた時、その男は麻里奈の元へ帰って行った。それが悔しくて自分に再び振り向かせようとしてギャルになった。案の定、その男は自分に再び言い寄って来た。そこで予定通りフッてやり復讐を遂げた訳だが、誤算は麻里奈をも傷つけてしまった事だった。似衣奈はその男に復讐をする事ばかり考えていて、麻里奈まで傷つけてしまう事は見えていなかった。会って謝った事はないが、心の中では申し訳ない事をしてしまった、そう思っている。

ハロウィンパーティーでサンシャイン池崎のコスプレをして元気に馬鹿をやっていた少年が気になってしまった。しかしその少年は因縁ある女性と既に仲良くなっており、近寄れなかった。来年のハロウィンパーティーで会う約束はした。本当なら何も来年まで待たなくても、同じ地元で暮らしている、その内会う事だって出来る。しかし本来、似衣奈はシャイで奥手な女だ。積極的に会う約束などとてもじゃないが出来ない。来年のハロウィンパーティーで会おうと言う言葉はそのシャイさの現れであった。しかし気になって少年の背中を目で追っていくと、因縁ある女性らと仲良く街に消えて行った。噂では因縁ある女性は友達と良くナンパをする、男遊びの派手な女性。きっとこの後そう言う関係になるんだろうな…、そう思った。諦めよう、その時似衣奈はそう決めた。

しかしコスプレイベントで少年を見かけた。似衣奈は躊躇ったが話しかけてしまった。少し仲良くなると以後ずっとコスプレイベントに自分目的で来てくれるようになった。似衣奈は密かに嬉しかった。その少年はどこか二股をかけられたあの男に似ていたからだ。二股をかけられ傷ついた事は確かだが、何も知らずに好きになった気持ちは何の偽りもない事実である。だから麻里奈が少年に接近した理由も何となく分かった。お互いタイプの少年を見て思う事は同じはずであるからだ。そう言う意味では今回、また同じ相手を好きになってしまったのは偶然ではなく必然と言えた。同じ過ちを繰り返したくない、しかし素直な自分の気持ちは裏切れない…、似衣奈も貴之と出会ってからずっと悩んでいたのであった。

「諦めようかな…」
似衣奈は俯いて体を小さく丸めていたのであった。


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