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【SM 官能小説】

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宴 〜狂艶〜-4

「……やだ。この程度で壊れかけてるわけ?」
覗き込んでから、思わずそう呟いた。
智佳は焦点の定まらない瞳で、ぼんやりと天井を−いや、天井ではない違う所を眺めている。
このままなら、智佳は確実に壊れる。
−いや。
「……このまま壊しちゃおうかな」
美咲は思わず、舌なめずりした。
精神の壊れた女に、胤真が執着するとは思えない。
そうすれば胤真の寵愛が自分に戻ってくる可能性が、ぐんと増えるではないか。
智佳を壊されて怒りに燃える胤真が自身をどんな目に遭わせるかという事はまるきり考えず、美咲は強烈な誘惑に妄想を膨らませる。
「そうよね……生かしておいたって私の人生の足しになるわけじゃなし。壊しちゃいましょ」
美咲はふと、この部屋の隠しカメラの存在を思い出した。
「スナッフ・フィルムのようにはいかないけど……人の精神が壊れるなんて、見物じゃないかしら」
スナッフ・フィルムをご存知ない方のために解説させていただくが、物凄くおおざっぱにいえば人が死ぬ様子を記録しているという、とんでもない映像記録だ。
「うん、ついでに撮ってみましょ」
美咲は隠しカメラの操作パネルを探す。

ピシィッ!!

その手に、何かが絡み付いた。
「!?」
「ずいぶんと好き勝手してくれているなあ、美咲」
狼狽した美咲が振り返るとそこに、胤真がいた。
その手に持つのは、革製の鞭。
乗馬などに使う短いものではなく、何メートルかある長いものだ。
それが、美咲の手首に絡み付いている。
「か、胤真様!?」
「いつ、誰が、どこで、智佳を壊していいと許可した?」
胤真は手を動かし、美咲を引き寄せようとした。
「っ!!」
足を突っ張り、美咲は抵抗する。
胤真は、その抵抗を嘲笑った。
「無駄な抵抗は、ぶざまだぞ」
そう言いながら、胤真は空いている手を振るった。
その手にはいつのまにか、同じ形の鞭が握られている。
もう一つの鞭は、美咲の足首に絡み付いた。
「俺が鞭の扱いに慣れてるのは、お前も知ってるだろうが?」
二つの鞭を、胤真は同時に操る。
「ぎゃっ!」
同じ鞭の違う動きに翻弄され、美咲は転倒した。
「だから、こういう鞭を同時に操る事ができるんだ」
胤真は美咲に近付き、力を加減してごく軽い蹴りを入れる。
「ぅぐっ!!」
呻く美咲を胤真は、懐から取り出したロープで拘束した。
「さて……」
胤真は、智佳に近寄る。
相変わらず目の焦点は合っておらず、顔を覗き込んだ胤真の向こうを眺めている有様だ。
「予想以上に酷い真似をしてくれたな……マゾは身をもって痛みの限界を知ってるから、いったん責めに回るとかなりキツいんだが……やり過ぎだ」
呟きながら、胤真は慎重に二つのバイブを抜いた。
抵抗も何もなし。
いや。

ぶりゅっ……ぶちゅぶちゅぶちゅっ

無理なバイブ挿入が祟ってか括約筋が緩み、まだ固まっていない排泄物が降りて来た。
「智佳……」
呼び声に、智佳の体がぴくりと震える。
「智佳。俺だ、胤真だ。分かるか?」
かすかな期待をかけて目を覗き込み、胤真は何度も呼びかけた。
呼びかけに応え、智佳の目が少しずつ焦点を合わせ始める。
何度呼んだか、胤真自身も分からない。
しかし。
「胤……真?」
はっきりと目の焦点を結んだ智佳が、不思議そうに再従兄弟の名を呼んだ。
「私……」
「……正気に戻ったか」
安堵のため息をつき、胤真は智佳を抱きしめて軽く口付ける。
「塩井さんが部屋に来て……私……」
「責めがキツ過ぎて、俺が来た時にはちょっと壊れかけてた」
「……ああ」
真実を告げられて、智佳は納得した声を出した。
「あ……!」
意識がはっきりした途端に、智佳は下半身の気持ち悪さに気付く。
「やだっ!胤真、離して!体、汚っ……!」
暴れる智佳を、胤真はきつく抱きしめた。
「平気。離さない」
「胤真……」
智佳は、腕の中でおとなしくなる。
「……塩井さんは?」
「そこに転がしてる」
胤真は、智佳の目を覗き込んだ。
「……復讐、したくないか?自分を壊しかけた相手に」
「……どうやって?」
「いい道具がある。それを、貸してやるよ」


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