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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第5章 接触-5

自販機横に腰を降ろしコーラを一口グビッと飲んだ貴之。一息つくと疲れが一気にその体にのしかかる。
「あ〜あ、何か疲れたなぁ…。取り敢えず似衣奈さん見れたし、今日の所は帰ろうかなぁ…。」
このイベントで何とか会話を交わすぞと気合を入れて来てみたこのコスプレイベントであったが、似衣奈に近づけそうもないし、あの人気ぶりだ。話し掛けるのは難しいなと感じた貴之だったが、正直なところ話し掛ける勇気が無かった。何を話していいか分からないし、似衣奈も覚えていないかも知れない。貴之の気持ちはくじけそうになっていた。

「でも似衣奈さん、やっぱ可愛いなぁ…。コスプレも似合ってるし…。」
貴之はコーラを飲みながら撮った写真を見ながら鼻の下を伸ばしていた。
その時だった。背後からカメラの画面を覗きこみながら、
「なかなか良く撮れてるねっ♪」
と言った女性がいた。貴之は慌てて振り返ると、顔のすぐ横に女性の顔があり驚いた。
「えっ!?」
近すぎて誰だか分からなかったが、髪からのシャンプーの匂いと甘い香水の匂いが貴之に伝わる。そんな貴之にニコッと笑い顔を向ける女性は何と似衣奈であった。

「池崎君、来てたんだね♪」
「あ…、あ…」
突然現れた似衣奈に貴之は目と口を丸く開けて固まってしまった。
「ンフッ、久し振り♪」
「あ…は、はい…」
未だ驚きの表情が抜けない貴之を尻目に、似衣奈は隣に腰を降ろした。
(な、何で似衣奈さんがここにいるんだ…!?)
頭の中はパニックだった。まだ目を見開いたまま似衣奈を見つめていた。
「どうしたのよ、そんな幽霊でも見たような顔して?幽霊じゃないよー、生きてるよー?」
「す、すみません…」
ハッとしてようやく表情を崩す貴之。落ち着かない様子で頭をかいた。
「えー?ハロウィンの時はもっとノリ良かったじゃん。」
「あ、あの時はちょっとビールを…」
「ビール??君、高校生だよねー?」
「は、はい。」
「いけないんだー!高校生がビールだなんて♪」
「す、すみません…」
ついつい謝ってしまう貴之に似衣奈は苦笑いする。
「今日はカメラマン??イベントに参加すれば良かったのにぃ。池崎サンタとか♪」
「い、いや…あの時はコスりましたが、初めてで…。みんなの前でコスプレする勇気ないです…。」
「そう?楽しいよ?慣れたら見られるのが快感になっちゃうんだから。」
「に、似衣奈さんは可愛いしコスプレ似合うからいいですけど、俺なんか誰も見たがらないですよ…。」
「そんな事ないよー。てか私の名前覚えててくれたんだー。嬉しい♪」
「いや、俺の方こそ覚えててくれて光栄です…」
「アハッ、光栄とか堅すぎ〜!池崎君の名前、何だっけ??」
「か、門倉貴之です。」
「…、全然覚えて無かったわぁ、ごめ〜ん。」
「だ、大丈夫です…」
話し掛ける勇気がなく帰ろうとしていた貴之だが、話すと言う目的を達成したのに気付くのはだいぶ後の事であった。


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