第5章 接触-3
一足早いクリスマスコスプレイベントは市内の芸術館の中庭で行われた。中庭はクリスマスツリーやクリスマスの雰囲気を出す飾り付けがなされていた。貴之が到着した時にはすでにイベントほ始まっており、カメラを持った大勢の観客で溢れていた。
本当はイベントでなくとも似衣奈に会うなら方法はある。未央と同じ大学生ならば大学生付近で待っていればいくらでも会えるはずだ。しかしそれはどこかストーカーめいた行為に感じ、自然に会った感を出すにはやはりイベントで会った方がいいと判断した貴之はこのイベントで接触を計る事にしたのであった。
男女問わず多くのコスプレイヤーが参加していた。それぞれのコスプレイヤーに人集りを作りカメラを向けていた。似衣奈…いやニーナの事は探さなくても一目で分かった。なぜなら他を圧倒する人集りがあり、その中心でニーナが多くのカメラを向けられていると分かるからだ。貴之はその一際多い人集りの中に押されながら割り込んで行った。
しかしなかなかニーナに近づけない。前に入ろうとする貴之をあからさまに妨げる者もいる。しかしそれは仕方ない事だと割り切って場所を移動し隙間を抜けながら何とか中心に近づこうとする。そしてようやく人と人の僅かな隙間からニーナが見えるようになる。
「わっ…」
目に映ったニーナのサンタコスはキュートかつセクシーであった。スカートは短くトップはふわふわしたビキニで露出が多い。色が違えば貴之の大好きなチアドラの衣装のようなサンタコスチュームで膝まであるロングブーツがまたたまらなく感じた。貴之は隙間から必死でニーナを見つめていた。
（パ、パンツ見えてる…！）
見せパンだろうが、赤のスカートに白のパンティは物凄く映えて映る。しかも片足を大きく開けると、股間部の凹凸が分かる…というか、性器の形がうっすらと浮き出ている事にドキッとした。そして屈むと胸の谷間がモロに見え、柔らかそうな胸がプルンプルンしているのが分かる。貴之は父親から借りてきた一眼レフを取り出しさらに前に移動しニーナに寄る。
押されながらもようやく視界を邪魔されずニーナが見える所まで来た。初めは恥ずかしかったが、他のカメラマンは堂々と撮影している。貴之は恥ずかしがっている事自体周りから浮きそうな気がしたので堂々とニーナのコスプレにシャッターを切る。ついついその片足を上げた時の股間部の凹凸や屈んだ時の胸元は逃さずに撮影していた。勿論それだけではないが。色んなポーズを取るニーナの姿を激写していたのであった。