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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第1章 出会い-3

今年の夏は雨ばかりで、過ぎてみれば当初言われていた猛暑とは程遠い微妙な夏であった。まるで彼女は欲しいがその行動力がないと言う貴之の性格のようなはっきりしない夏であった。だから乗り気ではないハロウィンパーティーにも行く気持ちが芽生えたのかも知れない。心のどこかではやはり出会いが欲しかったし、また彼女も欲しかったのは確かな事だった。

季節はもう冬へと向かっている。しかしハロウィン一色で包まれた街と淡い期待のおかげで心なしか少し今日は暖かく感じる。出会いへの期待をモロに表している智洋に乗せられ貴之も気分が少しばかり高まって来たりする。

夜8時、駅前広場のパーティー会場についた。
「スゲー人だな…」
去年、テレビでもハロウィンの盛り上がりを伝えるニュースは見ていたが、実際自分がその中にいるとハロウィンと言う行事が一年の中で数える程の一大イベントである事を実感する。しかしこれだけの人間が全てコスプレをしている光景は異様にも思えた。自分らもそうだが、ハロウィンとは全く関係ない衣装を身につけている人もたくさんいた。みんな楽しそうである。これは一種のお祭りだな、そう思った。

「おい、ちょっと景気づけるか!」
智洋はバックの中から缶ビールを取り出し貴之に手渡した。
「や、ヤバいだろ!?」
「分かんねーよ!一口でも飲めばハイになるって。な?」
確かに何かきっかけがないととてもコートを脱ぎサンシャイン池崎になる勇気が出なそうだ。このまま躊躇ってつまらないハロウィンパーティーになるよりはちょっと悪い事をしてでもみんなに乗り遅れないよう頑張らなければならないと感じた貴之は思い切ってビールを飲む事にした。当然人生初のビールだ。貴之は苦いと感じる前にゴクッ、ゴクッ、ゴクッと三回飲み込んだ。しかしそれ以上は無理だった。苦味に襲われると口を止めた。智洋は慣れているようで一気に缶を開けた。

「苦っ…」
貴之は顔を歪めて舌を出した。
「そのうちハイになってくるから楽しみにしてろよ。」
「うーん…」
あまり好きになれないような味だが、どこか少し大人の世界を知ったような気がした。

間も無く司会者がパーティー開始のスピーチを始めた。

「ヘイ、みんな!今年もハロウィンパーティーの日がやって来たね!おー、みんな気合い入ってるね!いいよ、いいよ!さぁ楽しまなきゃ損だよ!せっかく仮装してるんだ、楽しく行こうよ、楽しくね!さて最後にはパーティー中にスタッフが回ってみんなの衣装をチェックして回るからね?その中で印象に残った人を5人選んでコンテストを行いまーす!そして最終審査を行い3位まで表彰するからね!是非みんな、アピールしてくれよな!栄えある優勝者には豪華商品を用意してるからみんな、弾けちゃえ!!では始まるよ、パーティー!掛け声はいいかな?せーの!」

参加者が一斉に声を張り上げる。
「Trick or treat!!」
大歓声と大きな拍手でハロウィンパーティーは始まったのであった。


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