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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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責任-6

「これ…!」
若菜でさえ足が竦んだ。縛り上げられた状態の生前の姿から子供を撃ち、その亡骸を写した物、その瞬間の武史や絵里の悲痛な姿、2人目の子供、そして絵里…、最後に武史と、まさに復讐の様子を余すとこなく写した写真が貼られていたのだ。渡辺麻耶の殺害の様子も写されていた。若菜は体が震えていた。そして悲しくなる。自分の立場も忘れ、そして事件に纏わる過去をも全て忘れ心を激しく痛ませていた。

「復讐と呼ぶには…惨すぎる…。」
口を手で多い涙を零す。 レイプの復讐と言え女性がここまで出来る事が信じられなかった。もし自分が田口徹を殺害した時に写真を撮っていても、後で見ようという気持ちにはならないだろう。いや、思い出すのも嫌だ。だがこの写真を見て忌々しきレイプを、佐川健吾に憎しみを抱き続けていたとしたなら海老川優里は精神異常者だとしか思えない。若しくは…
「ヤッてるか…。」
ヤッてるか…、それは覚醒剤である。ここに来て海老川優里の覚醒剤使用の疑いを抱いた若菜であった。

若菜がふと黒板に目を移した。すると何やら文字が書かれていた。
「ようこそ私達の始まりの場所に。海老川優里・湯島武史…」
それは明らかに自分に対してのメッセージであった。その文字は美しく穏やかな字体であった。小学校教師をしていた海老川優里らしい、どんな子供が見ても読みやすい色んな意味で優しい字体であった。思わずその文字に目を取られてしまった若菜だが、慌てて現実に戻った。

「ここじゃない!!」
若菜は自分の読みが外れた事に気付く。慌ててスマホでマギーに指示を出す。
「マギー、ここじゃなかった!これは海老川優里のトラップ、まんまとやられたわ!至急この近辺…、いやもっと範囲を広げて廃校になった学校を当たるよう指示して!あと捜査員は5人残して手当たり次第廃校に行って調べるように!」
「は、はい!」
マギーが捜査員に話を伝えると現場は騒然となった。誰もいない事を確認した若菜はヘリコプターに捜査員を乗せ屋上に着陸するよう指示を出す。現場は一気に慌ただしくなった。

若菜は黒板に歩み寄り、海老川優里の名前が書かれた部分を指でそっと撫でた。その瞬間であった。まるで若菜が触れた部分がスィッチであったかのように天井から吊るされた埃だらけのモニターの電源が入る。驚いて視線を向けた先には海老川優里が微笑を浮かべながらこちらを見つめている顔がアップで映されたのであった。


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