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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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佐川健吾の反撃-4

2時間後、記者会見は行われた。警視総監自らの記者会見にマスコミは大挙して集まって来た。
「今回、いなぎ東署が覚醒剤密輸に加担し、密売グループと手を組み覚醒剤使用、または所持での逮捕件数を上げると言うあってはならない事実が発覚致しました。現在東署を閉鎖し徹底的に捜査を行なっている所です。今回は前代未聞の不祥事を引き起こしてしまい誠に申し訳けございませんでした。」
若菜は深々と頭を下げた。記者から夥しい数のフラッシュがたかれた。そして厳しい質問が飛ぶ。

「いつからそのような行為が行われていたのでしょうか?」
「今時点での調べでは5年程前から行われていたとの報告がありました。」
「5年もそのような前代未聞な不祥事に気づかなかったんですか?」
「はい。申し訳ございません。我々は覚醒剤やレイプ犯罪については特に力を注ぎ捜査を行なって参りました。その中で全国でも検挙数において非常に優秀な成績を上げていたいなぎ東署を、優秀な署として評価して参りました。その優秀な実績に安心し、実際に現地に足を運び状況を確認する事を怠った故の不祥事発覚の遅れだと存じます。誠に申し訳ございませんでした。」

記者の質問は10分続いた。その中で記者らはいつもの警察の不祥事に対する記者会見とは違った印象を受ける。それは若菜の口からは存じません、お答え出来ませんと言った逃げの言葉は全く出てこなかったからだ。分かり得る今の状況を包み隠さずに公表しようとする若菜に耳を素直に傾けていた。そして進展問題の質問が飛ぶ。

「このような前代未聞の不祥事を起こした責任を警視総監としてどうとるおつもりでしょうか?」
会見を見守っていた全ての者が固唾を飲んで若菜の発言に注目する。
「勿論責任は取ります。辞任します。しかしこの一連の事件を解決に導いた後、です。私はみなさまご存知の通り、覚醒剤とレイプを心の底から憎んでおります。今回のそれが激しく渦巻いたこの事件、何としても解決に導きたい。解決に導けるのは私しかいない、そう自負しております。私はテロリストを許さない。命をかけてでも私はこの事件をこの手で解決したい、そう思っております。」
若菜は凛としてそう答えた。静まり返った会場、そんな中で1人の記者が声を出した。

「私達が見たいのは謝罪で頭を下げるあなたの姿どはない。今、我々の目の前で犯罪を前に堂々と立ち向かおうとする、まさにその姿だ。私は先ほどの頭を下げた写真は破いて破棄します。今の姿を全国民に伝えたい。」
そう言ってシャッターを切る。それにつられて全ての記者がその若菜の姿を写真に収めた。

「私達は凶悪な犯罪者と壮絶な戦いをしたあなたの姿を忘れてはいません。我々にとってあなたは犯罪者やテロリストに怯える我々国民の希望の光です。事件を解決に導いた後、あなたが退任すると決めたならそうするがいい。ただそれを許さない国民がどれだけいるか、それを考えて欲しい。」
記者はそう言う、さっと会場を後にした。そしてそれに続くように記者達は慌ただしく会場を出て言った。

回りくどい言い方だが、あの記者の言葉には若菜は勇気づけられた。あの時自分を警察官に復職させてくれた国民の理解を思うと、若菜はより一層事件解決に向け並々ならぬ意欲が湧いて来たのであった。

(誰だろう、あの記者…)
若菜は先ほどの記者の顔を頭に焼き付けたのであった。


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