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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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内通者-6

「では早速今年に入ってからの覚醒剤絡みの検挙の詳細をご説明します。」
洋子がそう言って別部屋に案内しようとしたところに吉川が言う。
「吉田さんは女性犯罪を担当してるんですよね?では加えてレイプ被害についての検挙の詳細も合わせて見せて貰えますか?」
洋子は少し面食らったような表情を浮かべる。
「どうしてですか?」
「もしもサーガ絡みなら必ず女性を巻き込むはずです。今起きている事件は覚醒剤とレイプが密接に関わっている事を考えれば両面から調べるべきだと思うので。」
洋子は判断を仰ぐかのように木田の方を見る。木田の目が一瞬泳いだのを吉川は見逃さなかった。同時にその2つを合わせて調べられる事が不都合だと感じている事を読み取った。東署の闇に迫っている確信を得たのであった。
「いいでしょう。吉田君、レイプ犯罪に関する資料も準備してくれ。」
「…分かりました。今集めて来ますので少々お時間を。」
「分かりました。」
洋子が資料を取りに行っている間に2人は捜査分析室なるパソコンが置かれた部屋へと招かれた。
「今年は特に検挙数が多く、まだデータを打ち込み切れてないんです。レイプ犯罪の捜査資料はまだデータ化ができてなくて。」
「そうですか。」
穏やかにそう答えた吉川だが、そんな訳がないのは分かっていた。この1週間分がまだデータ化されていないならまだしも何ヶ月もの捜査資料がデータ化されていないなど通常あり得ない。千城県警本部なら即日データ化される。それが出来ていないと言う事は人手不足か仕事をしていないか、データを見られたくない為の嘘だ。吉川はそう睨んだ。吉川はどんな隠蔽工作をしてくるのかと思いながらパソコンで覚醒剤絡みの案件のデータをさとみと確認し始めた。

30分ほど過ぎるとようやく洋子が入って来た。
「お待たせしてすみませんでした。これが今年の全資料です。」
「ありがとう御座います。」
吉川は礼を言って洋子の持ってきた資料を確認する。
慌てて揃えた事がバレバレの資料だった。恐らく陰で5、6人程で慌てて架空の資料を書いたのだろう。その証拠に同じ記載者の名前が書いてある資料でも不思議な事に字体が異なっていると言う事に気付くが、あえて気づかない振りをした。
(これは署ぐるみの隠蔽工作だな。全員が敵か…。なら仕方ない。少々荒く行くしかないな…)
もし署員全員が敵なら、今全署員で一気に取り押さえたらどうしようもない。吉川はある予測を立て、タイミングを見て一気にカタをつける決心をした。


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