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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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内通者-7

吉川は状況を冷静に分析していた。まず署長が留守である事自体怪しい。署長不在であれば副署長が東署の指揮を代行するはずである。しかし副署長の姿も見えない。それに昨夜の夕食時に今週は署から動けずどんな用事も断らざるを得ないと話していた。よほど重要な用事が出来たか、若しくは居たら都合が悪いかのどちらかだと読んだ。そして吉川とさとみは東署の闇を暴きかねない都合の悪い客だ。まず早く帰す事を考えているだろう。しかし吉川が公安の仕事をしていたと聞き作戦を変更したかも知れない。闇の核心に踏み込みそうになった時には別の手を打ってくるだろうと考えた。最悪の場合、存在を消す、だ。今日の訪問は突然決まった事である。あちらも闇を闇のままで存在させるべく十分な打ち合わせは出来ていないだろう。となるとなり振り構わず闇を守ろうとする筈だ。何が何でも闇を守るであろうならまず目先の危険を回避し、後から処理を考えるだろう、そう考える。東署にしてみれば突然の緊急事態に違いない。自分が彼らの暴かれざる闇に踏み込みそうになった時、警察官が警察官でなくなる瞬間が必ず来ると確信した。
(今からは刑事ではない。公安としてのやり方で闇を暴いてやる。)
そう覚悟を決めた。

事件の詳細を見るれば見る程に不審は高まる。逮捕時間は殆ど深夜に集中していた。案件もどれも似ている。若者が意味不明な言葉を叫びながら暴れているとの通報で駆けつけた刑事が取り押さえた所、覚醒剤を所持していた、全裸の女性が倒れており保護した所、覚醒剤の使用が確認された、車の中にいるカップルを職務質問したところ覚醒剤の所持、使用が確認された、など同じような逮捕状況が何件も重複しているのだ。吉川はこの詳細が捏造されている疑いを持つ。恐らく覚醒剤絡みでの逮捕こそ目的で、内容などどうでもいい事なのだろう。捜査報告書には適当な事を書き処理していた事が伺える。思うに逮捕者に会い話を聞けば報告書とは違う話が必ず聞けると確信した。死人に口なし的な感覚なのだろう。そこまでして実績が欲しいのかと思うと腑が煮えくり返る怒りを感じた。

(ハメてやるか…)
吉川はある行動を起こす事にした。卑怯な奴らは絶対に弱い者をネタに脅しをかけてくる筈だ。この場合の弱い者とはさとみだ。東署はどこかのタイミングで吉川とさとみを離すタイミングを見計らっているはずだと踏んだ。なら誘ってやろう、吉川は戦闘態勢に入った。


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