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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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偽善者-5

若菜は華英を連れ東京刑務所へとやって来た。勿論元ノウム教祖、深野浄京に面会する為だ。深野が海老川優里をノウムに連れて来たのなら彼女の事は良く知っているのは間違いない。湯島武史から解放されてから現在まで、彼女は一体どんな人生を歩んで来たのか、深野に話を聞けば明らかになるかも知れない。若菜は黙秘権など与えぬつもりで深野に面会に来た。

ドアが開くと所員に連れられ深野浄京が現れた。若菜に臆する事もなく至って平常心を保っているように見えた。深野はゆっくりと椅子に座る。今までテレビなどでしか深野を見ていない華英にとって初めて見る深野にはある意味オーラがあった。世間を騒がせた凶悪宗教団体の教祖だ。それだけの雰囲気は未だ感じられた。

「とうとう彼女にたどり着いたかな?」
特に余裕をかます訳でもなく、怯える訳でもなく、穏やかな口調でそう言った。
「たどり着いたかな、じゃないわよ。だいたい何よあんた。何が一部の過激派が起こした事件とは言え教祖である自分が責任を取るのは当然、よ??あんたが連れて来た女がこんな大事件起こしたじゃないの!?サリンどこじゃないのは分かってるよね!?今回の同時多発テロ!」
「…」
返す言葉はないようだ。そこには彼なりの苦悩が垣間見れた。若菜はその様子を見て自分を落ち着かせる。
「あんたは海老川優里がサーガに復讐する計画を知ってたの?それともグルだったの?」
目を伏せていた深野が頭を上げる。
「彼女は忘れようとしていた。湯島武史を忘れて新しい人生を歩もうとしていた。だが憎き男の子供が常に側にいて忘れられる訳がなかったんだ。しかし彼女は子供を愛していた。しかし憎き男の血が流れている。そんな愛情と憎悪の同居する我が子を見て、彼女の中で次第に気持ちが変わって行ったのだろう。やはり忘れる事は出来なかった。湯島武史を…、レイプを…」
「…」
重い言葉に今度は若菜が言葉を失った。我が子を愛しながらも常に憎悪を抱かなければならなかった海老川優里の心中を察すると胸が痛くなる。女としてその苦しみは理解できてしまう。深野もそれが理解できてしまったが為に彼女に温情を感じてしまったのであろう。決して警察を欺く為に隠していたのではない、若菜はそう思った。

「私は海老川優里を助けたいの。協力して?」
深野は若菜をじっと見つめる。
「勿論。」
その言葉だけで深野と若菜の間に信頼関係が結ばれたのであった。


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