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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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驚愕すべき正体-6

「彼女が消えた後、私は恐る恐るリビングの中に目を向けたわ。そこには悪夢以上の惨劇があった。湯島武史、妻の英里、そして幼い子供達…きっとほんの少し前までどこにでもあるごく普通の幸せな家族の姿があったはず。私は全ての思考が止まりただ涙が流れて来た。自分の双子の妹を、あんな小さな子供までも殺してあの笑みを浮かべられる彼女が信じられなかった。その時の私は湯島武史を殺害しにきた殺人者ではなく、刑事としての心を取り戻していた。彼女が私と同じ事を考えているのだとしたらきっと渡辺麻耶を殺害しに行くはず…、私はそう考えて渡辺麻耶のアパートに向かった。向かう途中、偶然帰宅する渡辺麻耶を見つけた。彼女を救おう…、でもどうして湯島武史と組んで私に地獄を見せた女を助けなければならないのか…、でも…、私は渡辺麻耶の後をつけながら葛藤してたわ。そして葛藤してる間にアパートに着いてしまった。どうするか自分で答えが出ない中、守るにしても殺すにしてもとにかく部屋に入ろう、そう思い雪崩れ込むかのように中へ入った。でも、すでに海老川優里が中にいたの。渡辺麻耶は彼女を見てすぐに誰だか分かった様子だった。そして血まみれの彼女に驚き動けなくなった。そんな渡辺麻耶に海老川優里はニコッと笑って頭を撃ち抜いた。その鮮血が私にもかかった。私もあまりの恐怖で立ち竦み動けなかった。そんな私に彼女は、行って?あなたは何も関係ないんだから…、と言ったわ…。怖かった。でも彼女の気持ちも痛いほど分かった。私が殺そうとした2人を片付けてくれた…。渡辺麻耶の亡骸を見ると、湯島武史の家で抱いた刑事としての心が失われていた。目の前で血を流して倒れているのは同じ警察官でありながら警察を欺いていた、私を欺いていた憎い警察官。私の感情は完全に警察への憎しみに支配されていた。私は海老川優里を守りたい、そう思ってしまったの。彼女は私達レイプ被害者のヒーロー…、そう思った。どうせ殺すつもりだった…、私は彼女の目的達成の為に彼女の事は絶対に口にはしないと誓った。身代わりに逮捕されてもいい…、そう決めたの。私はありがとう、そう言って渡辺麻耶の部屋を出た。そして若菜ちゃんに出会い、あなたの話に乗った。若菜ちゃんは私が湯島武史と渡辺麻耶を殺したと思っていた。申し訳ないけど、これは都合がいいと思った。海老川優里は勇気を持って憎き2人を殺した。私もレイプ被害者として憎きレイプ犯罪者をこの世から消したい、そう思った。だからあなたの話に乗ったの。その時はまだあなたの素晴らしさには気づいていなかったし、これほどまでに親密な関係になるなんて思わなかったから、ね?若菜ちゃんと親密な仲になってからはあなたに隠し事をしている罪悪感にずっと悩んでた。ずっと隠し事をしていてごめんなさい。」
涼子は若菜に頭を下げた。
「やめて下さい。正直に話してくれてありがとう、涼子さん。涼子さんの気持ち、痛いほど良く分かりました。告白してくれて嬉しかった。もう終わりにしましょう。私が終わらせます。みんなにごく普通の幸せが当たり前のように感じられる、そんな世の中に、そんな城南市に、私は取り戻します。」
若菜は涼子の手を握り力強くそう言った。
「私の処遇は若菜ちゃんに任せる。覚悟は出来てる。」
涼子はすっきりした表情でそう言った。若菜はフッと笑う。
「まずはこの忌々しい事件を解決してからです。でも私はあなたの正義を信じてるから。」
「若菜ちゃん…」
2人は強く抱き締め合った。痛みは違えどお互いの痛みを知る2人の絆は何があっても強く結ばれているのかも知れない。


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