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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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消えたサーガと白川歩美と協力者-3

「ただ腑に落ちないトコもある。下条にはテロを企て実行に移せる程の勇気が果たしてあるのかって事…。」
そう言った瞬間、深野の目が少し動いたかのように思えた。
「彼はきっと臆病。人との争いを好むような人間ではないように思えるのよね。だいたいテロを起こすぐらいの勇気と攻撃性があれば反乱を企てていることに薄々気づきながらも見て見ぬ振りをしてる訳がない。ちょっと気性の激しい人間ならとっくに何かしらの罰を与えるとか、退信させるとかしててもおかしくないと思うのよね。下条って小さな頃から内気であまり存在感のない性格だったみたいじゃない?イジメられる事はなかったみたいだけど、その代わり相手にもされる訳じゃなかったみたいよねぇ?そう言う人間が何かしでかす時ってさぁ、大抵虎の威を借りるものなのよねぇ。だから私は思うのよ。自分の手ではなく誰かにテロを起こさせたんじゃないかってさぁ。」
若菜は深野に視線を向ける事なく自分の指で弄る毛先を見つめながらそう言った。

「私は今、ノウムでもフレアでもない、ただの囚人だ。再び教団を復活するつもりもなければ教祖として君臨する野望もある訳ではない。フレアもテロも私には関係のない事だ。ただしレイプ犯罪に遭ってしまった女性達や、テロの被害に遭ってしまった方々には胸を痛めている。」
「でしょうね。あなたは全てを知っているから。」
「…」
「知っていると言うよりは気づいていると言うべきかしら?あなたはこの一連の事件に何ら関係していない事は事実でしょうからね。あなたが思い浮かべている事件の構図を警察に話す義理はない。あなたに何の罪もない。ただし、あなたが教祖でいた時のノウムが地下鉄サリン事件を起こした事実は変わらない。あなたにはそれを止める義務があった。過激派思想を持った反乱分子を食い止める責任はあった。そして今、下条が同じ過ちをしようとしている。食い止めようとはしてるけど、多くの人間の命を奪うと言うテロという手段は決して許されりべき事ではない。あなた、サーガ、下条…それぞれが自分こそ正義だと思って生きてるでしょう。でも宣言するわ?最後に正義を語れるのは上原若菜だって事を示してみせる。」
深野は若菜を見つめる。
「もしや君はすでに全てが見えてるのか…?」
若菜はフッと笑った。
「いえいえ、私は神ではないので。」
そこで若菜は深野を見つめる。
「神ではないけど、正義の象徴の警察の警視総監ではありますが、ね?」
そう言ってニッコリと笑った。


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