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《見えない鎖》
【鬼畜 官能小説】

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〈蜉蝣の飛翔〉-3

『親しい人が亡くなって悲しんでるのに、あんな言い方ってなくない?』

『ホント。英明さんが可哀想よ』

『自分のコトしか考えないヤツなのよ。アイツったらサイテーね』


わざと聞こえるように喋りまくる女生徒達を気にもせず、しかし、英明は花恋の視界から消えていく。

大切な人が離れていく……あの悲劇の最中さながらに景色は色彩を失い、平衡感覚さえも狂って脚はふらつく……花恋は友人達に支えられながら、嗚咽を漏らして教室に連れていかれた。



『寂しかったんだよね?ちょっと強く言い過ぎただけだよね?』

『ティッシュならあるよ?遠慮しないで使っていいから…ね?』

『ちょっと男子!茶化してんじゃないわよ、アッチに行ってなよ!』


友人の敦子や由紀や玲奈の慰めの声は、確かに花恋の耳に届いている。
だがその言葉は、しっかりと受け止められてはいなかった。


本来の言葉の意味とは違っているが、花恋はあの時、英明に〈甘えていた〉のだ。


決してはっきりとは伝えられない哀しみと苦しみを解って欲しくて、しかし、何と言えばいいのか分からなくて花恋は怒鳴ったのだ。

(きっと英明さんは何かを感じてくれる……私の痛みを取り除いてくれる……)

花恋は英明に今の自分を受け止めて欲しかった。
しっかりと抱き締め、傷付き汚れた自分を包み込んで貰いたかった。


『俺も花恋と会いたかったんだ』

『俺も花恋と同じくらい寂しかったよ』

『次は必ず会うって約束するよ』


花恋の期待した言葉は英明の口からは出なかった。

自分は《彼女》として相応しくない女性になったと自信を喪失してしまった今だからこそ、英明からの明確な

『好き』

という想いを伝えて欲しかったのだ……。



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