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《見えない鎖》
【鬼畜 官能小説】

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〈特別な日〉-1

空は青く澄み渡り、アブラゼミの鳴き声があちこちから響いている。
夏は今が盛りだ。

少し視点を下げて見渡せば、二級河川のすぐ側に、ややくたびれた工場が立ち並んでいる。
金属を削る音に点滅する青い閃光……ここは田川光司の経営する部品工場だ。

そこから川を挟んで二キロほど東に行くと、閑静な住宅地がある。
その外れに、高いブロック塀に囲まれた大きな家があった。

誰あろう、先ほどの工場の経営者・田川光司の自宅だ。


瓦屋根の家は周囲の家と比べても大きく、しかし、物音のしない静かな家である。


そんな家にある変化が訪れた。
それは新しい家族の誕生だ。

誕生と言っても赤ちゃんが産まれたわけではない。
父子家庭の田川家に、母子家庭の元木親子が再婚という形で入ったのだ。

それはもう三ヶ月は前の話だ……。



――――――――――――



「きゃあッ!?ちょっと裕太お兄さん……」

『あ!ご、ごめんね花恋』


週の真ん中も過ぎた夕方に、二階から大きな声が聞こえてきた。

元々は、長男の裕太と次男の裕樹だけが二階の住人だったのだが、そこに女子高生の花恋(かれん)が加わった事に、まだ裕太達は慣れていないようだ。


「もう…私、洗濯物干してるんだから……それにノックくらいしてくれない?」

『いやあ悪かった。つい今までの癖で……』


男しか居ない家……母親は十年ほど前に他界しており、光司は男手一つで二人の兄弟を養ってきた。
仕事が忙しく躾も疎かになっていた家庭で、ドアをノックするという最低限のルールすら、裕太達は身に付けていなかったのだ。


「ホントにもう……」


爽やかな水色のYシャツに濃紺のジーンズ。
シンプルな私服に、胸の膨らみは殆んど見られない……。


帰宅して直ぐにシャワーを浴びる花恋は、その間に自分の衣服の洗濯をする。
そして綺麗になった身体で、清潔になった衣服を自分の部屋に干すというのが花恋の日常であった。

いくら家族になって《兄妹》になったといっても、そこに血は繋がっていない。
他人とも呼べる異性に、自分の下着を見られたくないのは女の子なら当たり前だ。



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