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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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策士-6

時刻は3時。吉川とさとみがホテルを出ようとした時に電話があった。
「ホントっスか!?」
眠気が一気に覚めた。若菜からの指示でバスが発見された場所に慌ててタクシーで移動する。現場には多くのパトカーが既に集まっていた。中には怯えた女性らが身元確認をされていた。身元確認する必要もないだろう。見れば誰だか分かる有名人ばかりだ。吉川は刑事に話を聞いた。

「今、このバスから逃走した複数の人間を探しているところです。第1発見者である刑事がその人影を追い草むらの方に行きました。応援者もさっき後を追い向かったところです。」
そう言った瞬間に刑事から連絡が入る。
「見失った。くそッ!と。」

バスから逃げた人影を追った刑事は草むらの中の道なき道をひた進んだ。辺りは暗く何度も転びそうになる。人の気配は感じられない。相当先に行ってしまったようだ。とにかくこの草むらを抜けなくてはと思い足を前に進めた。
木の枝が何かにつまづき転んだ瞬間であった。川辺の方から何かのエンジン音が聞こえた。こんな深夜に明らかに不審な音に刑事は立ち上がり走り始めた。

ようやく草むらを抜けると広い河原に出る。そして前を見ると川辺に何か動く物が見えた。人影もある。刑事は叫んだ。
「警察だ!止まれ!動くな!」
そう言って銃口を向けた。しかし人影は止まる様子もなくひと塊りになったかのように見えた。するとそのエンジン音がうねりをあげた。
「ぼ、ボートか!」
どうやら逃走者はボートに乗り込み走り出したようだ。
「と、止まれ!!」
構えた銃がもどかしい。撃てないからだ。相手は一般人かもしれない。無闇に撃つことは出来なかった。まるでそれを知っているかのように人影を乗せたボートは暗い川の上を遠くに消えて行ったのであった。

息を切らしながら刑事は連絡をした。
「見失った、くそッ!」と。
「逃亡者は浅霞川を使い逃走しました。方角は確認できず。ヘリでの捜索をお願いします!」
刑事の報告を受けすぐにヘリが出動した。浅霞川上空を捜索するヘリから連絡が入る。
「ボート発見。浅霞川を埼玉方面に上っております。接近し逃亡者を確認します。」
ヘリが高度を下げライトを当てる。しかし屋根がついており中が見えない。ヘリはゆっくりとボートを追った。連絡を受けたパトカーがボートの進行方向に先回りをして確保に向かう。
「ボートが着岸するようです。不死身町の不死身橋付近です。」
「了解!」
不死身橋は目と鼻の先だ。ヘリも見える。パトカーを急行させ河原に降りると着岸するボートが見えた。刑事が走ってボートに向かう。しかし刑事は目を丸くして驚く。なぜならボートはスピードを落とさずにそのまま突っ込んで来たからだ。刑事は間一髪ボートから逃げた。刑事の横を走り去って行ったボートはそのまま護岸に衝突し大破炎上した。

予期せぬ事態に慌てた刑事だが、炎上するボートを見ながらさらに驚いた。
「え…?だ、誰もいない、ぞ…?」
中を除き込んでも、付近にも人の気配はまるでなかった。すぐに消防車がかけつけ火を消すが、焼け跡から人間らしき遺体は出て来なかったのだ。

「逃走したボートには誰も乗っていません。どうやら無人だったと思われます。」

その報告に警察は唖然とした。


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